二期会 蝶々 夫人。 東京二期会《蝶々夫人》 宮本亜門 2019年10月6日(土)感想

東京二期会《蝶々夫人》 宮本亜門 2019年10月6日(土)感想

二期会 蝶々 夫人

140426 4日間公演の3日目、腰越組の2日目を見に行った。 今回は1回のど真ん中で、ゆったり鑑賞できた。 こんな素晴らしい舞台を1万円で見られるなんて、何だか申し訳ないような気分になった。 それほど見事な上演だったと思う。 若いルスティオーニ、噂以上に凄かったし、オケも甘美かつダイナミックなサウンドを奏で続けていたが、 腰越満美さんの蝶々さんが入魂の名演唱で、参りました!この方、大柄だし、お顔もどちらかと言うとあちら風なので、15歳のかわゆい蝶々さんという訳ではないのだが、歌唱・演技とも抜群で、言うことなし。 スズキの 永井和子さん、ダテに年季だけ入っている訳でないことを見事に立証された舞台だった。 とりわけて、演技の巧さが一番光っていた気がするなぁ。 この人の動き一つ一つ見ているだけで、涙が出て来るシーン、少なからず。 男性陣では、の 福島明也さんは評判通りで、文句なし。 ピンンの さん、相変わらず甘いマスクで女性ファンから絶賛されているようだが、高音も楽に出て、悪くない。 ただ、前半はもう少しギラギラしたものを出せたらもっとよかったと思う。 ちょっといい子過ぎと言うか、優等生風のピンンで、若干もの足らなさも。 総じて、これらはとりもなおさず、栗山演出の大成功ということでしょう。 どの場面も出演者の動きにまったく無駄がなく、しかも自然で、感服しまくり。 一例を挙げれば「花の二重唱」など、演出次第で随分居心地が悪くなったりするものだが、この舞台はこれまでのどの公演より無理のないスムーズな動きで、すーっと腑に落ちたねぇ。 勿論、終幕の蝶々さんが「 かわいい坊や」を歌い、自害して果てる場面も、なんと切なくも美しい!と。 生々しい赤い色は一切排して、上から銀いろの吹雪が舞い落ちるという、何と言うか、神々しいまでの終わり方に、しばし拍手を忘れて、恥ずかしながら、ただ涙、滂沱あるのみ。 多分、見ていない木下組も勝るとも劣らない名上演だったのではないかしらん。 両方鑑賞した人に、後で是非比較感想を聞いてみたい。 16 grappatei.

次の

二期会「蝶々夫人」 後悔し続けたピンカートン?

二期会 蝶々 夫人

10月4日に東京二期会のオペラ《蝶々夫人》を観た。 宮本亞門の演出は、ピンカートンが生涯でもっとも愛していた女性は蝶々さんであったとして、死の床のピンカートンが成人した息子に産みの母親のことを告げるところから始まった。 そして、その青年(黙役)は、父と母との出会いを見つめ、自分が実母にどんなに愛されていたかを知る。 宮本は、蝶々さんを現地妻としてピンカートンに買われたという従来の設定ではなく、このオペラを愛の物語として描こうとしていた。 オペラ《蝶々夫人》の一番のわかりにくさは、愛する幼い息子を残して、どうして自決しなければならないかということに違いない。 宮本はこの演出で彼なりの答えを示していた。 『ミス・サイゴン』のサイゴン陥落後の結末 ミュージカル『ミス・サイゴン』は、《蝶々夫人》のストーリーをベトナム戦争時に置き換えて作られたものだ。 あらためて『ミス・サイゴン』を聴いて、このミュージカルのクリエイターたちの最大の苦心は、ヒロインのいささか唐突な自殺を、より自然な流れに乗せることにあったのではないかと思った。 そして、彼らがそれに成功したから、現在に至るまで、『ミス・サイゴン』は世界中でヒットし続けているのであろう。 主人公(キムとクリス)の出会いが、娼婦とその客という状況ではあったが、二人は本当に愛し合い、かりそめの結婚式をあげる。 そして、クリスは、自分がベトナムを離れるときはキムもアメリカに連れて行くと約束するが、サイゴンは陥落し、二人は引き裂かれる。 クロード=ミシェルの父親は、ピアノの調律師だった。 6歳のときにパリで両親に連れて行かれて《カルメン》や《蝶々夫人》を観たという。 その後、デパートのBGMで《ローエングリン》第1幕への前奏曲を聴いて心を奪われた。 しかし、クラシックの道には進まず、ロックバンドでピアノを弾き、曲を作るようになる。 そして、パリに移り、後に タッグを組む脚本家・作詞家のアラン・ブーブリルと出会う。 シェーンベルグも、ブーブリルも、『ウエスト・サイド・ストーリー』に強く影響を受けた。 シェーンベルグとブーブリルの最初のコラボレーションは、 1973年の『フランス革命』。 その頃、フランスにはミュージカルの伝統がなかったが、その フランス最初のロック・オペラ は成功した。 そして、それは 1980年のフランス語版『レ・ミゼラブル』 につながる。 フランスでの『レ・ミゼラブル』のヒットが、 イギリス人プロデューサー、キャメロン・マッキントッシュ の目にとまり、 1985年にロンドンで開幕された英語版は世界的な成功を収める ことになる。 『レ・ミゼラブル』は、 1987年にはブロードウェイで開幕し、トニー賞のベスト・ミュージカル賞を受賞。 『レ・ミゼラブル』 しかし、『レ・ミゼラブル』と『ミス・サイゴン』で、ミュージカル界の寵児となったブーブリルとシェーンベルグは、 1996年に、16世紀フランスの農村で起きた事件を素材とした、一層オペラ的な『マルタン・ゲール』 を発表したものの、『レ・ミゼラブル』や『ミス・サイゴン』ほどのヒットを収めることができなかった。 その後、2007年に、アメリカの製作者と組んで、 16世紀アイルランドの海賊女王グレース・オマリーを主人公とした『パイレート・クィーン』 をブロードウェイで上演したが、これも2か月で打ち切られてしまう。 2008年には、シェーンベルグはブーブリルとともに台本にまわり、ミシェル・ルグランが作曲を手掛けて、 デュマの原作小説『椿姫』を第二次世界大戦中ドイツ占領下のパリに翻案した『マルグリット』 が作られる。 日本語版は2009年と2011年に赤坂ACTシアターなどで上演された。

次の

東京二期会公演「蝶々夫人」@東京文化会館

二期会 蝶々 夫人

すばらしいキャストが揃ったので海老名まで行ってきました。 前半がガラ形式でアリアや二重唱、後半ががっつり蝶々夫人という贅沢すぎるラインナップ。 今回シャープレスが前回の東京二期会蝶々夫人 、で同役だった今井俊輔さん。 今井俊輔さんのシャープレスは今までのシャープレス の温厚だが頑固で説教くさい老人というステロタイプを壊した人。 若く常識人で燃える情熱を理性で押さえつけたセクシーなシャープレスを演じ、とても魅力的だった。 その彼がまたシャープレスをやるならば!と。 思ったとおりほぼ舞台上演のオペラで演じるように演技付きでのパフォーマンスでした。 彼の演技は目線で殺す! ピンカートンは彼の目線で殺されてましたねw そして今回そのピンカートン、シャープレスに軽薄な男と本音を吐露されたその軽佻浮薄なヤンキーは前川さん。 なぜかすごくぴったりw。 先日の渋谷のルチアで瞠目だったエドガルド。 圧倒的な歌唱でピンカートンもすごかった!リリックテノールのきらめくような美声でHigh Cがものすごかった! 堪能しました。 前川さんは東京二期会蝶々夫人のピンカートンのカバーキャストだそうです。 そして今日の蝶々さんもカバーキャストを務める梶田さん。 パワフルなリリックソプラノで全身全霊を込めて歌ってくれました。 前半はヴィオレッタがあったのでちょっと負担が大きかったかも。 後半プッチーニをガンガン歌うのに前半ヴェルディとは。 男性陣も前半ヴェルディがっつりで特に今井俊輔さん最初の歌がプロヴァンスっていくらなんでも重過ぎでチャレンジングとハラハラしましたが。 きっと皆が知ってる曲をやらなくてはいけないという使命があったのでしょうね。 前半トスカにしたらきっとさらに面白かったでしょうね! 妄想が膨らんでしまいます。 すみません。 今回の発見はメゾの花房英里子さん。 マジすばらしかったです。 超美声!彼女は二期会本公演の蝶々夫人の大村組のスズキだそうです。 楽しみですね! ピアノの朴令鈴さんもすばらしく、歌手に寄り添う演奏でした。 お疲れ様でした。 *** ロッシーニ『セヴィリアの理髪師」より「今の歌声は」 花房英里子(MS すばらしい美声!ロジーナにぴったりだ。 でパワー全開。 伸ばせるだけ伸ばした。 ヴェルディ『椿姫』より「ああ、そは彼の人か〜花から花へ〜」 梶田真未(Sop. E strano! Ah,fors'e lui Sempre libera アルフレードの裏歌はもちろん前川さん! 最後はHigh Es ヴェルディ『ドン・カルロ』より「友情の二重唱」 ドン・カルロ:前川健生 ロドリーゴ:今井俊輔 すばらしい~TもBrも声がないとこの二重唱は歌えません! カルロがロドリーゴに手を差し出し ロドリーゴはひざまずき手をとるという芝居も。 休憩 第二部 プッチーニ『蝶々夫人』ハイライト 梶田真未(蝶々夫人) 前川健生(ピンカートン) 花房英里子(スズキ) 今井俊輔(シャープレス) ピアノ:朴令鈴 後半に入るといきなりしもてのお立ち台に今井俊輔氏が現れ、シャープレスとして物語の説明を始める。 これが自分の言葉でしゃべっているので、すごくおもしろい。 口調も重々しい歌のときの声と異なりめっちゃ軽い(笑)。 GAPがすごくておもしろい。 講談師のように軽快にしゃべる。 だってしゃべり終わってマイクを置いてステージに歩み出したらすごい重い声になり、性格も激変するのだ。 (以下はメモを元に記述) 今井「生の舞台でオペラ『蝶々夫人』を見たことがある人はどのくらいいらっしゃいますか?」パラパラと手が上がる。 舞台上には白い服に着替えたピンカートン役の前川が現れる。 今井「見てのとおりピンカートンは軽薄なところがあるので…』(客笑) 第1幕より ヤンキーの二重唱 Dovunque al mondo lo Yankee vagabondo シャープレスも舞台に ピンカートンはシャープレスにウイスキーを勧める。 二人ともものすごい~ 今井はシャープレスそのものだ。 体に入っている感じ。 思い出すあの舞台を。 *** ・愛の二重唱 Vogliatemi bene 蝶々さんは梶田さん。 着物に着替えている。 梶田さんは大変パワフルなリリック・ソプラノ。 最後は二人ともHigh C! l'aspetto ・手紙の二重唱 いよいよこの場面です。 シャープレスと蝶々さんの名場面。 シャープレスの演技力が試される場でもあります。 また今井俊輔さん演じるこの場面が見られるなんて幸せです。 (シャープレスはピンカートンから来た手紙の内容を蝶々さんに伝えるためにやってきたのだ。 気が重い役目だ。 ヤマドリたちが帰り、) シャープレス Ora a noi. Sedete qui 「さあやっと私たちだけになれました。 そこに座ってください。 」 シャープレスは手紙を読もうとするが、蝶々さんが取り上げて口づけする。 手紙を返す。 "Amico, cercherete quel bel fior di fanciulla 『貴殿にあの花のように美しい娘を訪ねてもらいたいのだ』 蝶々さんはシャープレスが読む言葉の一言一言に有頂天になりシャープレスを悩ませる。 」 シャープレスはもう手紙を読むことをやめ、しまうと立ち上がって言う。 Quel diavolo d'un Pinkerton! 「ピンカートン、ひどいヤツだ!」 di avoloを強調する。 シャープレスのたぎる怒りが伝わってきて胸が締め付けられるシーンだ。 真顔で蝶々さんを見つめて言う。 「もうピンカートンが帰ってこなかったらどうするんですか? ヤマドリと結婚なさい。 」 蝶々「あなたさままで、そんなことをおっしゃるんですか!? 」 Santo Dio, come si fa? 「くそ、どうすればいいんだ!? 」 tanto male, tanto, tanto! 「ひどい人だわ!ひどい人!」 蝶々さんはよろめく。 シャープレスが支える。 劇的なシーン。 蝶々さんは子供を連れてくる。 ここまで。 前回の蝶々夫人では今井さんが子供を軽々と抱き上げた。 そのシーンをまざまざと思い出す。 ・花の二重唱 スズキと蝶々さんが庭の花を摘み部屋に撒き散らす。 美しい! ハミング・コーラスをピアノが奏でる 第3幕より シャープレスはピンカートンとその妻を伴って再び蝶々さんの住む高台の家を訪れる。 ・愛の家よ、さようなら スズキに協力するよう説得するシャープレスとピンカートンの三重唱。 Io so che alle sue pene non ci sono conforti! 私にもわかっている 彼女の苦しみは誰にも癒すことはできない でも子供には将来がある。 Sorda ai consigli, sorda ai dubbi, vilipesa nell'ostinata attesa raccolse il cor 彼女は忠告に耳を貸さず 疑いも悪意も抱かず 頑なに信じていたんだ 真剣に シャープレスは自責の念に駆られているピンカートンの肩に手を置き、 Andate 行きたまえ。 シャープレスの目線には殺気に近いものが漂っている Addio fiorito asil すばらしい! オレは言ったはずだぞ ピンカートンをにらみ続けるシャープレス。 son vil, ah! son vil! すばらしい! そしていよいよ蝶々さんの自害のシーン 駆け寄ってきた子供に短刀をしまう Tu? piccolo Iddio! Amore, amore mio 絶唱! Va, gioca, gioca! 子供を行かせると腹を刺しバッタリと倒れる。 ハイライトなのにここまでやっていただけるとは! ありがたい限りです。 ここからトークタイム。 それぞれ『蝶々夫人』への思いを語り、秋の公演の宣伝をする。 前川「さきほど今井さんが言っていたほど私は軽薄ではありません。 (背後で思いっきり首をかしげる今井)…ピンカートンは最も嫌われる役。 東京二期会の本公演の蝶々さんは森谷真理さんと大村博美さんという世界で活躍するお二人で東京二期会の誇るプリマドンナ。 ぜひお運びください。 」 今井「私は今回は関わっていないのですが、横浜で『カルメン』にエスカミーリョ役で出ますのでそちらもどうぞよろしくお願いいたします。 」 大拍手。 最新情報はFACEBOOK 及び twitter にて更新中! Ten.

次の