緋 牡丹 お 竜。 加藤泰「「緋牡丹博徒 お竜参上」は唯々美しい

緋牡丹博徒 花札勝負 : 作品情報

緋 牡丹 お 竜

解説 石本久吉の原案に基き、「緋牡丹博徒 一宿一飯」の鈴木則文と「待っていた極道」の烏居元宏が英同で脚本化、監督は「みな殺しの霊歌」の加藤泰。 撮影は「緋牡丹博徒 一宿一飯」の古谷伸があたったシリーズ第三作。 1969年製作/98分/日本 原題:The Red Peony 配給:東映 ストーリー 明治の中頃。 渡世修行を積むお竜は、熊虎親分からの添書を持って、名古屋の西之丸一家へ草鞋を脱いだ。 その頃、西之丸一家は熱田神宮大祭の勧進賭博をひかえ多忙をきわめていた。 金原一家の組長金原鉄之介は、国会議員の古田と結託し、勧進賭博を仕切る名古屋一の貸元の座を狙っていた。 そんな折、お竜は金原一家の賭場で自分の名を名乗る女賭博師お時を捕えた。 お時は、盲目の子お君の目を直したい一心にイカサマをやり、金原にその腕を利用されていた。 西之丸一家の親分杉山の息子次郎は、金原の義理の娘八重子と恋仲だった。 次郎が、八重子との結婚を申し出ると、金原はサイコロで事を決めようと持ちかけ、お時を相手に当らせた。 お時は勝負に勝ったものの、人質にされた次郎を、恩を受けたお竜が、探していることを知り、次郎と八重子を逃した。 この一件によりお時は斬られ、次郎と八重子はお竜に守られて大阪へ逃げた。 金原一家に草鞋を脱いでいる一匹狼の渡世人花岡は、二人を追ったが、お竜から事情を聞いて見逃すのだった。 やがて金原一家を尋ねたお竜が監禁された。 杉山は勧進元とお竜の命の決着を勝負で決めようと提案。 杉山の代人お竜は金原の代人バケ安との一本勝負に勝ったが難癖をつけられ熊虎にその場を救われた。 彰吾が金原に杉山を斬り捨てるよう命ぜられたのは、そんな折だった。 彰吾は、金原にあいそをつかせていたが、一宿一飯の義理から杉山を斬った。 重傷を負った杉山は、勧進賭博の挨拶を終えると息をひきとった。 やがて、熱田神宮へ奉納金を修めに行った西之丸一家の代貸久保寺ほか数人が、金原一家に殺され、金も奪われた。 お竜の拳銃と彰吾の白刃が金原一家の息の根を止めたのはそれから間もなくのことだった。 ネタバレ! クリックして本文を読む 今作の鑑賞は 冒頭から 【 ローアングルの深遠なる世界 】 に 狂喜し、 やがて 【 奥床しさが漂う任侠映画であること 】 に 驚嘆し、 後半は 【 加藤泰作品の共通項探し 】 に 興じた 充実の映画体験となりました。 今作はしょっぱなの1カット目から、容赦のない 「ローアングル」攻撃が炸裂し、 その2カット後の、映画開始早々の3カット目には 【 ローアングルによる 「3D」 効果 】 そして、 【 ローアングルによる 「斜め上」 の構図 】 とも言うべき表現訴求のエッセンスを 感じ取ることができたのです。 線路内、2本のレールの真ん中を 緋牡丹のお竜さん が白い着物姿でこちらに歩いて来ます。 そして、その手前の踏み切りを横切りながら 盲目の少女 がフレームインしてきました。 カメラは地面に埋めたような極端なローアングルであるために、遠くにいる お竜さん の全景を捉えても、カメラ近くを横切る 盲目の少女 の姿は腰から下の足の部分しかフォローしていないのです。 全景の お竜さん と、 顔が隠された 盲目の少女。 この非日常的な構図が非常におもしろく、 また、お竜さん が奥から手前に向かって線路に沿ってやって来る 縦の運動 と、 盲目の少女 が踏み切りを右から左へと横断する 横の運動 との重なり具合がとっても興味深く、映画開始3カット目にして、ボクは早くも 映画的興奮 を得たのでした。 この映画的興奮を考察してみると 遠くに全景で捉えた お竜さん に対し、カメラ近くを歩く 盲目の少女 は画面上では大きな面積を占めてはいるものの、肝心の顔は写っていないのです。 どんな女の子なのかな? と疑問を生じさせる表現によって、 盲目の少女 の存在感を増幅させているこの演出に対して、ボクは 「遠近法」 の 誇張 を感じることができたのです。 「遠近法」 とは 近くにあるものを大きく描き、遠くのものを小さく描いて、 遠くのものと近くのものとの間にある 奥行きを表し、 立体感を表現する絵画の手法である。 と理解しておりますが、 普通のカメラ位置で撮影されたありきたりな 「縦の構図」 よりも、 今作のようにローアングルによって身体の一部を画面上に大胆に配置し、 非日常的な切り取り方をされた 「縦の構図」 の方が、 近くにいる少女の存在感が より強調され、 「遠近感」 がより一層 誇張された と感じられたのです。 要するに、お竜さん と 盲目の少女 の客観的な実際の大きさの対比よりも、 ローアングル映像が作り出す 精神的に与える存在感の違いの方が、大きい。 と感じられたのです。 その為、二人の距離感が、実際のものよりも強調され、 より立体的な3D映像 としてボクの右脳に飛び込んできた というわけなのです。 この表現手法をボクは 【 ローアングルによる 「3D」 効果 】 と名付け、大いに評価をしたいと思ったのです。 こんなことを感じていたら、盲目の少女 は突然、横の運動を止め、くるっと左90度曲がって、お竜さん と同じ縦の運動を開始していったのです。 それは、盲目の少女が安全地帯である踏み切りから1段踏み降ろして、危険地帯である線路内に立ち入ってしまうことを意味します。 物語を進行させる上で重要となるこの動きに対して、今作はその極端なローアングルを活用することよって見事なまでにその動作をクローズアップさせてきたのです。 そして、この素晴らしい表現手法によって、ボクは続けざまに大きな映画的興奮を獲得することになったのです。 この再びの、映画的興奮を考察しますと、 今回のローアングルは、進行方向を変える 「作用点」 となる少女の足元を直接的に映し出せるカメラ位置となっており、しかも、今作の地面スレスレの極端なローアングルによって、足元にある 1段 の 「高さ」 と 「重み」 をしっかりと目撃させることができる 稀有なカメラ位置 となっていたのです。 これによって 「安全地帯」 と 「危険地帯」 との境界線を彼女が越えてしまう切迫感を、 直感的に 視聴者に植えつけることができたのです。 通常のカメラ位置では、このような地面に接した足元での出来事はフォローし切れない領域であり、それ故、この動作を強調しようとすると、足元のアップをカットで抜くか、さもなければティルト・ダウンを施すか、場合によっては移動撮影を仕掛けることになり、当然のことながらリズム感を損なうなどして、 わざとらしい演出 になりかねないものですが、 驚くことに、今作は 「少女の登場」 から 「方向転換」、そして 「一段降り」 までを据えっ放しの1カットで表現をしてきたのです。 しかもカメラ位置が極端に低いローアングルであるために、少女の足元と、その少女の動きを気にしている お竜さん の存在さえも 同一カットに表現 することに成功していたのです。 近くのものは低い位置を捉え、 遠くのものはそれより高い位置のものを捉えやすい このローアングルの特長を十分に 活用していたのです。 この特長を言い換えると、 先ほど 「縦の構図」 という言葉を使って、奥行きの表現について話しましたが、 今作に活用されている構図は 【 ローアングルによる 「斜め上」 の構図 】 と表現できるのではないでしょうか。 近景、中景、遠景 が織り成す位置関係を 奥行き という一つのベクトルで統制している 「縦の構図」 に、 「高さ」 という、もう一つの方向性が加わって、 「斜め上の構図」 という 空間を多重の指標によって制御している、興味深い映画 世界が、今作においては展開されていったのです。 一概には言い切れませんが、 「近景は下部、中景は中部、遠景は上部」 を重点エリアとする 斜め上に向かっていくラインを意識させる 「斜め上の構図」 の世界観に強く興味を引かれたのでした。 盲目の少女の登場、そして方向転換と一段降り。 この一連のたった9秒の出来事ではあったのですが、この映像は今作を鑑賞していく上で表現上のキーとなる 【 ローアングルによる 「3D」 効果 】 と 【 ローアングルによる 「斜め上」 の構図 】 の 萌芽を感じ取ることのできた、開始早々3カット目で見つけた わかりやすいサンプル映像となっていたのです。 そしてこの2つのローアングル世界は様々な場面で活用され、このサンプルよりもその表現効果を増大させているカットに遭遇していくことになるのですが、その度ごとに語っていくと 【 奥床しさが漂う任侠映画であること 】 と 【 加藤泰作品の共通項探し 】 について書くスペースが無くなってしまうので うづうづする気持ちを抑えながら、先を急ぐことにします。 先を急ごうと思いつつ、素晴らしいカットに遭遇してしまうと、どうしても思いを巡らさないわけにはいかなくてしまいました。 「珠玉の9秒」の 1分45秒後、善玉たる西乃丸一家 への お竜さん の「仁義」のシーンにおいて、素晴らしいシークエンスは再び展開されていきました。 実は、このシークエンスをキッカケとして、ボクは今作に漂っている、ある種の 奥床しさ を感じ始めたのです。 普通の監督なら、「仁義」という見せ場はドーンと正面から全身ショットを撮りたいところなのでしょうが、今作の監督である加藤泰監督は全く違っていました。 彼は仁義を切る お竜さん を ちょっと離れた隣の土間から横位置で、大きな暖簾ごしに見ていたのです。 暖簾がめくれると お竜さんの顔が現れて、閉じると顔だけ見えない。 次の2カット目は お竜さんの顔が映し出されるはず、と思いきや、今度は お竜さん の反対側にカメラが回り込んで相変わらずの、ちょっと距離感を保つ横位置カットとなっていきました。 3カット目こそは お竜さん のアップだろうと思ったこのカットは その仁義 を真摯に聞き入る 受け人 の姿を正面に据えてきたのです。 しっかりと前を向き、正座で両手こぶしを床についた誠意ある態度で お竜さん の口上を請けたまわっているのです。 blog56. fc2. html.

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緋 牡丹 お 竜

映画情報2020. 22 「通り名を緋牡丹のお竜と発します」 緋牡丹博徒【坂本朋彦のシネフィル・コラム】 5月26日(火)[BSプレミアム]後1:00 半世紀ほど前の1960年代から70年代前半に一世を風びした任きょう映画。 当時、鶴田浩二さんや高倉健さんといった大スターと並び、多くのファンから熱狂的に支持されたのが富司純子さんです。 今回はそのシリーズ第1作をご紹介します。 富司純子の初主演にして代表作。 高倉 健、若山富三郎、脇を固める豪華共演者 明治の中頃、熊本の博徒、矢野組の一人娘・竜子は、殺された父のかたきを討とうと、組を解散し、旅に出ます。 合計8作が作られました。 凛 りんとしたたたずまい、 気風 きっぷがよくて美しく、曲がったことが大嫌いな、お竜さんを演じた富司純子さん。 富司さんの父・俊藤浩滋さんは、数々の任きょう映画の名作を製作したプロデューサーで、1963年に藤 純子の名前で映画デビュー。 本格的な主演作となった、このシリーズで大スターとしての地位を確立しました。 共演は高倉 健さん。 当時30代後半、お竜さんを助ける旅の博徒・片桐を演じています。 義理堅く、どこか陰があり、ひたすら強い、健さんならではの抜群の魅力です。 お竜さんに一目ぼれ、お竜さんのためなら何でもする、という四国の熊虎親分を演じるのは若山富三郎さん。 鼻を黒くメイクし、大いに笑わせてくれますが、あまりの人気に熊虎親分が主人公のスピンオフ作「シルクハットの大親分」(1970)も作られました。 テンポのよい脚本は、「トラック野郎」シリーズで知られる、娯楽活劇の名匠・鈴木則文監督、そして演出は山下耕作監督です。 中村錦之助さん主演、涙と感動の傑作「関の 彌太 やたッペ」(1963)、三島由紀夫も絶賛し、任きょう映画の頂点ともいわれる鶴田浩二さん主演の「博奕打ち 総長賭博」(1968)をはじめ、時代劇、戦争映画、晩年は教育映画と、さまざまなジャンルの作品を発表した巨匠です。 「タクシードライバー」(1976)の脚本や「アメリカン・ジゴロ」(1980)など数々の作品の監督で知られるアメリカの映画作家・ポール・シュレイダーも、映画評論家として活動していた70年代に発表した任きょう映画を分析する論文で、山下監督の演出を高く評価しています。 1930年、鹿児島県阿久根市生まれ、幼いころから自然が身近だったという山下監督の作品は海や川、花を使った演出が印象的です。 この作品でも、白のぼたんが赤く染まる場面にご注目いただきたいと思います。 【放送日時】 プレミアムシネマ「緋牡丹博徒」 5月26日(火)[BSプレミアム]後1:00〜2:39 そのほかの映画情報は 【コラム執筆者】坂本朋彦 (さかもと・ともひこ) 1990年アナウンサーとしてNHK入局。 キャスターやニュースなどさまざまな番組を担当。 2014年6月からプレミアムシネマの担当プロデューサーに。 取り上げた番組はこちらです!.

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緋牡丹博徒 お竜参上 : 作品情報

緋 牡丹 お 竜

映画情報2020. 22 「通り名を緋牡丹のお竜と発します」 緋牡丹博徒【坂本朋彦のシネフィル・コラム】 5月26日(火)[BSプレミアム]後1:00 半世紀ほど前の1960年代から70年代前半に一世を風びした任きょう映画。 当時、鶴田浩二さんや高倉健さんといった大スターと並び、多くのファンから熱狂的に支持されたのが富司純子さんです。 今回はそのシリーズ第1作をご紹介します。 富司純子の初主演にして代表作。 高倉 健、若山富三郎、脇を固める豪華共演者 明治の中頃、熊本の博徒、矢野組の一人娘・竜子は、殺された父のかたきを討とうと、組を解散し、旅に出ます。 合計8作が作られました。 凛 りんとしたたたずまい、 気風 きっぷがよくて美しく、曲がったことが大嫌いな、お竜さんを演じた富司純子さん。 富司さんの父・俊藤浩滋さんは、数々の任きょう映画の名作を製作したプロデューサーで、1963年に藤 純子の名前で映画デビュー。 本格的な主演作となった、このシリーズで大スターとしての地位を確立しました。 共演は高倉 健さん。 当時30代後半、お竜さんを助ける旅の博徒・片桐を演じています。 義理堅く、どこか陰があり、ひたすら強い、健さんならではの抜群の魅力です。 お竜さんに一目ぼれ、お竜さんのためなら何でもする、という四国の熊虎親分を演じるのは若山富三郎さん。 鼻を黒くメイクし、大いに笑わせてくれますが、あまりの人気に熊虎親分が主人公のスピンオフ作「シルクハットの大親分」(1970)も作られました。 テンポのよい脚本は、「トラック野郎」シリーズで知られる、娯楽活劇の名匠・鈴木則文監督、そして演出は山下耕作監督です。 中村錦之助さん主演、涙と感動の傑作「関の 彌太 やたッペ」(1963)、三島由紀夫も絶賛し、任きょう映画の頂点ともいわれる鶴田浩二さん主演の「博奕打ち 総長賭博」(1968)をはじめ、時代劇、戦争映画、晩年は教育映画と、さまざまなジャンルの作品を発表した巨匠です。 「タクシードライバー」(1976)の脚本や「アメリカン・ジゴロ」(1980)など数々の作品の監督で知られるアメリカの映画作家・ポール・シュレイダーも、映画評論家として活動していた70年代に発表した任きょう映画を分析する論文で、山下監督の演出を高く評価しています。 1930年、鹿児島県阿久根市生まれ、幼いころから自然が身近だったという山下監督の作品は海や川、花を使った演出が印象的です。 この作品でも、白のぼたんが赤く染まる場面にご注目いただきたいと思います。 【放送日時】 プレミアムシネマ「緋牡丹博徒」 5月26日(火)[BSプレミアム]後1:00〜2:39 そのほかの映画情報は 【コラム執筆者】坂本朋彦 (さかもと・ともひこ) 1990年アナウンサーとしてNHK入局。 キャスターやニュースなどさまざまな番組を担当。 2014年6月からプレミアムシネマの担当プロデューサーに。 取り上げた番組はこちらです!.

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