情報伝達における錯誤を削減すること• 相手の話の内容を集中して聴き、相手に対して内容を理解している姿勢を示すこと• 情報をインプットするのみではなくアウトプットすることで、内容の理解度と習得度を向上させること 情報伝達における錯誤を軽減すること 誰しも言葉に関しての価値観や捉え方は様々です。 聴者と話者の双方が、互いにどのような意味合いで言葉を使用しているかを理解することで、スムーズなコミュニケーションが可能になります。 その結果、 限られた時間の中でより多くの情報を共有し吸収することに繋がり、生産性を上げることができます。 相手の話の内容を集中して聴き、相手に対して内容を理解している姿勢を示すこと 相手の話の内容を理解していなければ、自分自身が話をするときに会話の主旨や論点がズレてしまいます。 そのため、内容をきちんと理解するには集中して相手の話を聴く必要があります。 そして、 オウム返しによって聞き手側が話を聴いている姿勢を示すことで、 話者にとっては自分の話がきちんと相手に届いているという安心感を得やすいと言えるでしょう。 情報をインプットするのみではなくアウトプットすることで、内容の理解度と習得度を向上させること 情報をただインプットするだけでは、聞いたことをきちんと理解しているか、それが身に付いているかが客観的には分かりにくいと言えます。 しかし、 アウトプットをすることで 自身がどれだけその物事を理解しているのか、習得しているのかが客観的に見えてきます。 オウム返しゲームのルール それでは、オウム返しゲームのルールと概要について解説します。 相手の主旨と論理を一致させて復唱する。 厳密に同じ言葉でオウム返し 復唱 する必要性はない。 重要なキーワードについては相手が使ったボキャブラリーを使う。 分からない言葉はその場で相手に確認をする。 相手の主旨と論理を一致させて復唱する。 相手が伝えたいと思っている 主旨や 論理を自分は理解しているということを相手に対して証明をするためです。 この段階で、自分の意見や主観などを加えるのではなく、あくまで相手の趣旨と論理を拾って、それらを一致させた復唱をしなければ、相手から「自分の趣旨・論理は正しく伝わっているのか」という疑問を抱かれてしまう可能性があります。 厳密に同じ言葉でオウム返し 復唱 する必要性はない。 相手の言葉を一言一句覚えて相手に返すだけでは、話の内容に対する理解の証明にはなりません。 自分の言葉を交えて相手に伝えることによって 相手に対しての傾聴の意を示し、 話の内容を理解しているという証明になります。 重要なキーワードについては相手が使ったボキャブラリーを使う。 上記では、厳密に同じ言葉でオウム返し 復唱 する必要性はないと言っていますが、相手の言葉を使うことによって自分が普段使わない言葉を知って理解することは、自分の語彙の幅を広げていくことにも繋がります。 加えて、相手が重要だと思っている単語を言い換えるのではなく、 同じ言葉を使用することで、相手が自分のことを理解しようとしてくれているという協調の意を示し、 心理的距離が狭まることに繋がります。 分からない言葉はその場で相手に確認をする。 例えば、相手の話の中に分からない言葉があるまま話を聴いているとします。 そうすると、聞き手は相手の発した言葉の意図が汲み取れないまま曖昧な理解をしてしまいます。 そのため、言葉の意味を憶測で理解してしまうことにも繋がりかねません。 そうした結果、話者が発した言葉を聞き手が誤った意味で理解してしまい、 情報共有においての トラブルの元に成り得てしまいます。 具体例 オウム返しゲームを実施したときのシミュレーションとして具体例を3つ作成しましたので、ひとつ一つ内容を確認していきましょう。 ルールに沿った会話の場合 そうですね、ごめんなさい。 正しくは「午後から雨が降るというのと、今週末から気温が上がるという予報を知っていました。 」という部分を伝えるべきでした。 今後は気をつけます。 Bさん 【解説】 相手がきちんとオウム返ししていなかったら、 その都度指摘をします。 指摘された側は何が足りずどんな改善が必要なのかを伝える必要があります。 また、その指摘をする際にオウム返しをしないことはゲームのルールの違反にはなりません。 まとめ 「聴く力」を伸ばすために、皆さんもオウム返しゲームを実施してみてはいかがでしょうか? 私自身もこのゲームのルールに沿ったコミュニケーションを実施し、得られたメリットはありました。 普段、会話の中でどれだけ目的語を省略し言語化しているのか、その結果、相手がどれほど情報の錯誤に陥りやすい状況にあったのかを再認識できたと共に、今後の改善策の立て方も明確になったことです。 しかし、デメリットとして感じた部分は、オウム返しは相手の言葉に合わせなければなりませんが、相手の話が長い場合にはどうしても相手の言葉を取りこぼしてしまう部分があり、その結果、オウム返しができないという状況に陥ってしまうことです。 その部分を改善していくには、相手の話を一旦止めて整理させてもらうという別のプロセスも必要になってきます。 また、オウム返しをすることの心理的な効果として 「ミラーリング効果」というものも期待できます。 これは、「相手と同じ言動や仕草をすることで、心理的に親近感を持ちやすい。 」というものです。 参考までに、皆さんがこのゲームを実施したらどんな気付きが得られるのかの目安として、実際に弊社の社員が「オウム返しゲーム」を実施した感想を下部に記載します。 ぜひ、皆さんも職場・学校・ご家庭などでオウム返しゲームを実施してみて下さい! ゲームを実施した感想 社内でオウム返しゲームを実施してみた各社員の感想を聴いてみました。 会話相手の発言を受けて思考し、その上で自らの意見を発するという会話の基本的な流れを再確認できた。 またこれまでを振り返ると、私は現在の話題から飛躍した解釈をしたり話題が急に逸れたりしたことも往々にしてあったので、相手やTPOを弁えた上で個人的にはこれからも継続していきたいと感じた。 ただ、このゲームの参加者が基本的には全員仲良しだったことや判定が曖昧だったこともあり、ルール違反への指摘が甘いと思えるシーンが散見された。 例えばゲームのルール違反を指摘された側は訂正するだけでその場が終わっていたり、あるいは「お酒を飲んでいる間は一旦オウム返しゲームのルールの適用をナシにしよう」という例外を持ち出したりすることがあった。 私はこのゲームの本質を、傾聴力を鍛えるトレーニングと考えた。 相手の発言に耳を傾けることだけに終わらず、会話がミクロ・マクロ的視点で見て論理性を伴っていることを実現することが、このゲームを通じて参加者が身につけられるものだ。 相手の話に耳を傾けるシチュエーションは普段の業務の中だけにとどまらず、家庭や学校にいる間や得意先との打ち合わせなどのように、会話する相手がいる時はどのような状況であっても起こりうる。 こと社会人なら、お酒が入る場所でしか話せないことが時折ある中で「お酒を飲んでいる間は一旦オウム返しゲームのルールの適用をナシにしよう」という例外を持ち出すことを、私は勿体なく感じた。 オウム返しゲームのルールを一定期間適用するならば、その期間中にお酒をたらふく飲む状況に遭ったとしてもそのルールを適用してみる挑戦をしてみてもよかったと思う。 一つの例外がまた別の例外を許容しどんどんルールが緩くなると、ゲームを続行する理由が希薄になる。 その考えは意図せず態度や口から出る言葉に現れ、やがて他の参加者に伝播する。 今回はルールについて厳格な者がいたから定めた期間まで続いたものの、喝を入れる者がいなければ3日と続かなかったと実感した。 「どうせなら徹底的に」を実践してみると、思いの外発見は多いものだ。 ただ余りにもルールを厳格化させてしまうと面白さがなくなってしまうので、例えば違反回数をカウントして最下位にはちょっとした罰ゲーム(但し、罰ゲームを受ける者が許容できるかできないかのギリギリのラインのもので、且つコンプライアンスに抵触せずハラスメントに該当しないもの。 )を執行するくらいのエンターテイメント性をオウム返しゲームに盛り込めたならば、私はもう少し楽しく参加できたかもしれない。 例えば、 Aさん「今日は台風があって電車が止まっていたらしいよ」 Bさん「それってほんと?」 という会話において、後者の「それ」が示す意味には少なくとも下記のような二通りの捉え方がある。 今日は台風があったという情報 2. 今日は台風があったことは前提として電車が止まっていたという情報 二通りの捉え方があることは、会話においてのすれ違いを招く可能性がある。 Aさんが2と解釈して、電車の運行状況について話し始めるが、Bさんが言いたいのは1で、そもそも台風の存在を知らなかったため運行状況の話が耳に入ってこないような状況になってしまうのだ。 自分は日頃、「それ」が示す対象を明確にするために、「それ」のような指示語の使用は最小限にする必要があると思っている。 そのためか、このゲームをすることで、他の人が自分の土俵に上がってくれてとても話し易くなった。 今までの自分は、相手の指示語や曖昧な言葉を明確にするために何度も質疑応答を繰り返していた。 相手がオウム返ししてくれることで、自分の負担が軽減されたのだと思う。 自分の課題としては、情報伝達の正確さに重きを置きすぎてしまい、会話のテンポが悪くなってしまうことがあるので、会話のテンポが悪くならないように指示語をうまく使っていきたいと思う。
次の・「エコラリアがある子どもは、みんな自閉症なの?」 ・「じゃあ、エコラリアとただのオウム返しは どう見分ければいいの?」 ・「ひとり言が多いのは、エコラリアなの?」 ・「エコラリアだとしたら、 どうすればいいの?」 この記事はそのような不安や疑問、心配をを抱えたお母さんに向けて書いています。 発達障がいないし、自閉症のお子さんを抱える全国のお母さん。 はじめまして。 心理士のやまだです。 抱えるお子様の状態は、それぞれでしょうが毎日子育てお疲れさまです。 今回は、日々子育てに向き合っているお母さんに向けて「エコラリア」についての理解を深めてもらうべく記事を書きましたので、少しでも、今後の子育ての一助となれば幸いです。 結論ファースト ということで、先ほどの心配事に対する結論を先に示しておきます。 興味ある方は ページ末尾の「問い合わせ」をご覧ください。 というわけで、ここからは上記の結論に、肉付けしていくとしましょう。 エコラリアとは 「エコラリア」という用語を打ち込みこのページを訪れただけでも、お母さん教育熱心さが伺えますが、ここでは改めてその定義を確認しておきたいと思います。 エコラリアとは、わかりやすく言えば 「オウム返し」のことです。 専門的には、次の様に定義されています。 エコラリアとは、エコ echo の形で産出される病的なことば lalia のことで、一般には「 他者が話した語あるいは語群の無意味な反復」と定義される。 (引用:熊井正之・葉石光一・菅井邦明 ある自閉症児におけるコミュニケーション関係と行動調整の発達ー行動調整を促す指導法への示唆を含めてー 長崎大学紀要 第20巻第1号,20-27,1998より) つまり りんごを見せて の様に、まさしく おうむ返し的な返答が「エコラリア」です。 即時性と遅延性エコラリア エコラリアには• 即時性エコラリア• 遅延性エコラリア(相互作用的or非相互作用的) の2つがあります。 ロジックツリーにすると以下の通りなのですが、ご覧の通り、遅延性は相互作用型と非相互作用の2つに分類されます。 今はとりあえずその様な種類があるのだなと思っておいてください。 即時性エコラリアは、先ほどの様に、 質問をした直後にそのおうむ返しがある現象です。 遅延性エコラリアは、以前聞いたことのある「フレーズ」や「音楽」などが 不適切なタイミングで繰り返される現象です。 例えば、僕は遅延性エコラリアのある小5児童に会ったことがあります。 「今日は学校でなにしたの?」 という質問に対し、この子は 「パンケーキ食べたい、パンケーキ食べたい」 と言うフレーズを繰り返すのです。 最初は、「たまたまかな?」と思い 会話を続け、 「ようやく会話に集中し始めたかな?」と思うと 再度そのフレーズが飛び出してくるのです。 これが「 遅延性エコラリア」です。 エコラリアか否かの区別は? はい。 これで、エコラリアの全体的なイメーがはっきりしてきたのではないでしょうか。 そうすると、ここで気になるが、 エコラリアか否かの判断基準だと思います。 というのも、子供が幼いほど、それがエコラリアか否かの区別が難しいからです。 そんな時は、「期間」を1つの判断基準とするのが有力だと考えられます。 (引用:佐竹 真次・小林重雄,遅延エコラリアの顕著な 一自閉症児の指導に関する検討, 心身障害学研究,Bull. Spec,Educ, 12 1 :57-66,1987より) 先人の知恵というのは大変ありがたいですね。 ただ、上記の論文では、「 長期間」というのは具体的にどの程度なのか?という答えの記載がなかったのですがおそらく、の有料論文に掲載されていることでしょう。 sciencedirect. ということで、冒頭にあった疑問にあった 「 ひとり言が多いのは、エコラリアなの?」 という問いに対する答えは 『No』という事になります。 そして、 「 じゃあ、エコラリアとただのオウム返しはどう見分ければいいの?」 に関しては、 その「回数」ではなく、「期間」だで判断できるということが言えますね。 エコラリアだったらどうすればいいの? するとウチの子の繰り返しは「エコラリア」だなと思う方かもいるでしょう。 その場合、次に生まれる疑問は、 「どうやって改善させればいいの?」 ということかもしれません。 それを考えるためには、「エコラリアがもつ意味」についてもう少し踏み込んでおく必要があります。 というのも、かつてエコラリアは「コミュニケーションを阻害する発話」だとネガテイブに捉えられていた様ですが、 近年では、「意味のある発話」、「なんらかの機能を有する発話」だという見解が有力とされています。 近年は,エコラリアは自閉性障害児が他者に対して行うコミュニケーション手段として位置づけられ,それはほぼ一致した見解になりつつある 廣澤・田中, 2004. エコラリアにコミュニケーショ ン機能があるとはつまり,エコラリアの中に発話者の意図なり意思なりが含まれているということである。 Humanities and Social Sci. , 60, 89-94 2012 武庫川女子大紀要 人文・社会科学 より) つまり、受け手に読解力や想像力が求められるということになります。 その意味を汲み取るために。 このことを理解しているかどうかで、先ほどの疑問にも奥行きが生まれるのではないでしょうか。 「どう改善するのか?」 ではなく 「どうつきあっていくのか?」 という考えもありなわけです。 そこで、一度「改善する」という発想は、綺麗にラッピングしてとりあえずテーブルの上にそっと置いておき、エコラリアの意味をみていきましょう。 エコラリアが有する機能 では、子ども自身の発達特性を尊重し、付き合うためにはどうすればいいのかというと、その「行動の意味を理解する」ということが求められます。 そこで役立つのか、先ほど取り上げたPrizantさんとDuchanさん 1981 による遅延性エコラリアの研究です。 ただ、それも楽な作業ではありません。 その負担を少しでも軽くするために、心理学にはという手法があります。 是非参考にしてください。 したがって、「エコラリア」をこの様に、「コミュニケーション」の一種と捉え、 子どもと関わっていくという姿勢がまずは重要だと考えられます。 しかし、現実問題それだけではよろしくないことも・・・ はい、ありますよね。 そういうことも。 なぜなら、「エコラリア」の意味を理解している人たちが常に周りにいるわけではありません。 その上、お母さんとお子さんの2人しかいないときに、「エコラリア」されると周りの目もきになりますね。 先ほどの文献でも以下について触れられています。 僕はを用いて児童支援をやってたりしますが、個人的に訪問サービスも行なっています。 ですので、この記事を見てるお母様で、以下のような悩みがある方はぜひご相談ください。 ご連絡は下記のアドレスorよりお願いします。 (初回聞き取りおよび見立ては無料です) 見立ては、お会いした際に、 検査をするので、それによって判断していただけます。
次の会話の基礎トレでは、聴く力、話す力、非言語力のそれぞれに ついて簡単なトレーニング方法をお伝えしていきます。 聴く力については応用的なスキルも含めると12個ぐらいあります。 全てをお伝えするのはとても難しいので、 基礎トレでは簡単なスキルについてお伝えしていきますね。 オウム返し法 例1 相手の発言が短い場合 相手 「昨日は鎌倉に行ってきたんだ~。 昔会計の勉強をしていたときにしょちゅう行っていたんだ。 また近くによったら寄りたいな。 好きなアーティストの音楽とか 無料で公開とかしているから良心的だよ。 素人の人が有名な曲をカバー したりしていてプロ顔負けの動画もたまに上がっているから楽しめるよ」 自分 「へ~Youtube、気に入っているグループとか、 素人のガチンコの演奏が見れる感じなんだ!」 「タダで見れるのは確かにお得感あるね。 少しだけ言葉を変えて返すと自然になりますので、 是非試してください。 まとめ オウム返し法は会話の中でも最もたくさん出てくる技法です。 オウム返しがしっかりできれば30%ぐらいは聴き上手になったと 言ってもいいぐらい!!是非日常生活で試してみてくださいね。
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