ミルウォーキー プロトコル。 第12話 ミルウォーキー・プロトコル

感染は猫?狂犬病発病は致死率99.9%!プレシャスを救ったミルウォーキープロトコル治療とは?

ミルウォーキー プロトコル

日経サイエンスの目次を見てたら... 「狂犬病からの生還」という文字が。 で、記事を読んでみたけれど、いろいろと示唆に富むもの だった。 インターネットの時代であり、即断即決で新しいアイディア(治療法) を試せる風土がないと、患者は助からなかっただろう。 もしかしたら、昨年の京都と横浜の狂犬病が発症したケースも助かった かもしれない。 2004年10月、15歳の少女が教会の窓にぶつかったコウモリを逃がして あげようとして、その時、コウモリに指先を噛まれた。 1ヶ月後、噛ま れた指先が痺れ、痙攣、嗜眠の症状が現れ、入院。 当初、脳炎だと思われたが、ヒアリングにより、コウモリの件が明らか になり、狂犬病が発症した可能性が出てきた。 そこで、サンプルをCDC へ送った。 もしも狂犬病が発症したのであれば、それは、死が確定したと同義になる。 が、担当医は諦めなかった。 医学は常に進歩している。 もしかしたら、 どこかで何か新しい事が報告されているかもしれない。 CDCから結果が 報告されるまで、オンラインで文献を調査したが、画期的な進展はみつ からなかった。 しかし、文献を調査しているうちに、あることが目にとまった。 それは、 狂犬病患者は脳に何の障害も生じていないように見えるにもかかわらず、 死亡する。 また, 数週 間の手厚い看護の末に亡くなった患者の体内には,もはや狂犬病 ウイルスが存在しない ということだった。 これは、もしかしたら、人体の免疫系は時間をかけ ればウイルスを一掃できるのだが、この作用 が遅すぎて、死に至るので はないか? 狂犬病ウィルスは、脳を乗っ取るように見えるが、脳組織そのものには 直接の障害を与えない。 だから、もし、脳を長期間眠らせてしまえば、 脳の望ましくない働きを抑えることができるに違いない。 そして、その間 に免疫系が遅れを取り戻せるかもしれない。 さらに調査を進めるうちに、ある麻酔剤が、ラットの皮質ニューロン中で 狂犬病ウィルスを抑制するという報告を発見した。 これに、幾つかの薬を 組み合わせて、治療を行った結果、見事に生還した。 詳細は、日経サイエンス7月号の記事を是非、読んでください。

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ミルウォーキー 旅行

ミルウォーキー プロトコル

で書いたミルウォーキー・プロトコルの詳細。 wiki の には開発の経緯から記載されています。 発想の発端は、殆どの狂犬病による死亡は一時的な脳の 機能不全によるもので脳自体には殆どダメージがない、という文献からです。 ここから、脳をこん睡状態に置くことで 機能不全による身体への影響を排除し、その間にウィルスを撃退する充分な抗体が生産されることを期待する、という戦略です。 だから、第一ステップとして麻酔・鎮痛薬のと で脳の活動を抑制し、昏睡状態に置いて、第二ステップで抗ウィルス薬のとを投与し免疫系が抗体を生産するのを助ける、という手順を取ります。 尚、この初期のプロトコルの改良バージョンではリバビリンを使用しません。 初期のバージョンでは25人が治療を受け、2人生存しました。 改良型バージョンでは更に10人が治療を受け、2人生存しています。 ミルウォーキー・プロトコルの有効性に関しては未だに議論の余地があります。 開発者(の一人である)ウィロビーは、 (ミルウォーキーの事例に関しては )ウィルスが特に弱い形で感染したか、或いは脳からかなり遠い部位を咬まれ、免疫系がウィルスと闘うのに充分な時間があった可能性を示唆しています。 入院した時点では、患者からウィルスは見つからず、抗体だけが単離され、(疑わしい)コウモリは見つからなかった、という背景があります。

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Hiron's Square: ミルウォーキー・プロトコル

ミルウォーキー プロトコル

構造 [ ] 狂犬病ウイルスはマイナス鎖の1本鎖RNA(ssRNA)ウイルスで、ビリオンは弾丸のような形をした円筒形である。 に感染するウイルスの多くはのビリオンを持つため、これは珍しい形である。 円筒の長さは180nm、直径は75nmある。 先端の一方は丸みを帯びた円錐形であり、もう一方は平坦か凹んでいる。 のエンペローブは平坦な部分以外を覆っている。 内部には螺旋状のとがある。 RNAはラブドウイルス科に多く見られる L Large protein 、G Glycoprotein 、N Nucleoprotein 、P Phosphoprotein 、M Matrix protein の5つの遺伝子が見られる。 ゲノム全体の長さは1万1615から1万1966である。 狂犬病ウイルスの遺伝子は約1500年間という短い期間で進化したと考えられている。 分布 [ ] 狂犬病ウイルスはほぼ全世界に分布しており、ウイルスを保持している動物の種類もイヌ、、、など様々である。 はに定められたに基づき狂犬病ウイルスの撲滅を行い、約7年で撲滅に成功した。 日本においては他国を旅行中にイヌに噛まれて感染し、帰国後発症し死亡したケースを除いては、のヒトと、のの発生を最後に確認されていない。 1年間に約5万5000人が死亡しているが、そのうちの3万人以上はアジアである。 他に感染が報告されていない国は、日本のが指定するものは、、、、、、と、のおよび、のおよびである。 それ以外の国や地域は1人以上の感染が報告されているか、もしくは報告がない。 が土着の報告がないとする地域はもう少し広い地域が指定されている。 ウイルス株 [ ] 7種の遺伝子型に分類されている。 日本国内には研究用として「西ヶ原株」「小松川株」「高橋株由来の高免株」など数種類のウイルス株が保管されている。 2004年の国立感染症研究所の報告 によれば、高免株および西ヶ原株は、ヨーロッパ・中近東・アフリカからなる最も広い地域の分離株で形成されるクラスターに属し、小松川株は北極・カナダ・ロシアから分離されたウイルスのクラスターに属しているとされている。 更に、1940年代に日本国内で分離された小松川株の由来は、中国およびロシア由来のウイルスと考えられるとしている。 感染症 [ ] 詳細は「」を参照 狂犬病ウイルスは主に感染した生物の唾液を経由し、傷口などから侵入して感染する。 それ以外の感染経路は、稀なケースとして狂犬病の患者の臓器を移植した事による感染の報告はあるが 、輸血による感染は報告されていない。 狂犬病ウイルスが体内に入ると、を経由してのに入り込みその中で増殖する。 これは、エンドソーム内が低いpHに保たれているため、ウイルスのゲノムが生き残るためである。 この時細胞質にはと呼ばれる特有のが形成される。 末梢神経を介して脳神経に達し、そこで初めて狂犬病を発症する。 したがって脳神経から離れた部位から感染するほど、は長くなる。 一般に潜伏期間は1ヶ月から3ヶ月であるが、長い場合には1年から2年に達する。 咬傷を受け発症前の場合、狂犬病ワクチンの複数回の接種が行われる。 扱い [ ] 日本においてはに基づき、4類感染症に指定されている。 またこれとは別にイヌには狂犬病予防法、やなどにはが適用されている。 咬傷事故を起こした動物は捕獲後2週間の観察が義務付けられている。 これは、2週間以内に狂犬病を発症しない動物は咬傷時点での感染が否定されるからであるのと、感染の疑いがあるヒトを検査しても感染の有無を把握できないためである。 ワクチン [ ] ウイルスを保有している動物に対する予防接種のほか、ヒトの咬傷後の発症防止の為に「曝露前ワクチン接種」「曝露後ワクチン接種」用途に使用される。 はにと ()によって開発・使用された。 現在では、ワクチンを製造する際の培養基により「感染動物脳組織由来ワクチン」「トリ発育胚ワクチン」「組織培養ワクチン」に大別される10種類程度のワクチンが存在する。 また、狂犬病ワクチンはリッサウイルス属のうちコモラを除き血清学的に交差するため、狂犬病ワクチンにより発症を防ぐ事が可能である。 応用 [ ] トランスシナプス標識 [ ] 神経伝達の経路を調べるためには途方もなく複雑で不明瞭な細胞の絡まりから関与する細胞を識別しなければならない。 最も難しい課題である、指定した1つの細胞とシナプスで接続している細胞のみを正確に可視化するために狂犬病ウイルスを応用するという手法がある。 狂犬病ウイルスは傷口からに侵入すると、神経線維の軸索を遡り細胞体へ入って増殖して樹状突起へと移行しシナプスを渡って上流の次の細胞(前シナプス細胞)の軸索に侵入し、これを繰り返し最後に脳・中枢神経に達して様々な神経症状を引き起こす。 この狂犬病ウイルスの神経細胞を遡って移行する性質を応用して、無条件に増殖できない制限、感染した細胞に色を与える機能、自然界における哺乳類への無害化という遺伝子操作を加えた変異型の狂犬病ウイルスが作られた。 このウイルスを神経細胞に導入し、調べようとする細胞にウイルス感染開始の条件を整える操作をする。 ウイルスは増殖して病原性を発現しシナプスを渡って前シナプス細胞に侵入し、さら増殖しようとする。 ところがこの細胞内の環境では阻害され感染力も失っているので、さらに遡ってシナプスを超えることはできない。 代わりに組み込んでおいた蛍光タンパク質の遺伝子が発現して接続している神経細胞のみを可視化することができる。 この手法は神経回路研究における画期的な手法として今後の応用が期待されている。 出典 [ ]• 大分大学 医学部 微生物学講座 [ ]• 横浜市衛生研究所 脚注 [ ] []• 78 2004 No. 9 P815-822• - the NewYorkTimes - 1つの神経細胞(ピンク)に接続している細胞(黄色)• 宮道和成、「」 『化学と生物』 2012年 50巻 3号 p. 21154-156, :• 関連項目 [ ]• 外部リンク [ ]• 佐藤豪、伊藤琢也、庄司洋子ほか: "The journal of veterinary medical science. " 2004年 66巻 7号 p. 747-753,• 畠山薫, 貞升健志, 甲斐明美、 『感染症学雑誌』 2011年 85巻 3号 p. 238-243, :• 伊藤直人,、杉山誠、「 『ウイルス』 2007年 57巻 2号 p. 191-198.

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