艦これ ケッコン 修羅場 ss。 【安価】提督「ドロドロ」【修羅場注意】 : 艦隊これくしょん SS

[B!] 【艦これ】俺の鎮守府が修羅場…?|SSまとめアンテナ

艦これ ケッコン 修羅場 ss

今日も変わらぬ快晴の空が窓の向こうに広がっている。 窓を開けば心地の良い微風が頬を優しく撫で上げ、今が深海棲艦と戦争している事を忘れさせてくれる程、横須賀鎮守府は穏やかな空気に包まれている事を実感させてくれる。 ただ、それはこの執務室の中だけに限るが……。 部屋の外から感じる禍々しい気。 もし俺が提督と言う立場でなく、執務室の扉に『立ち入り禁止 ~破った者は大嫌いになります~』の張り紙を貼っておかなければ、今頃はこの扉は跡形もなく木っ端微塵となっていたに違いない。 相手は艦娘だ。 人類では倒す事の出来なかった深海棲艦を倒せる力を保有している。 そんな彼女達からすれば、こんな扉など装甲を破るよりも遥かに容易い事だ。 鎮守府全体が不穏な空気に晒されている事は理解している。 その原因は机の上に置かれている一枚の紙と小さな箱の中に入った銀色の指輪だ。 知り合いの海軍大将からの手紙と共に大本営より送りつけられた書類とこの箱。 曰く指輪は艦娘達の秘めた潜在能力を引き出す事が出来る増幅装置であるらしい。 俺自身も特にそれについては何も文句を言うつもりはない。 強くなれる装置があるのなら使うのが当たり前、そして指輪と言う形も戦闘の際に邪魔にならない事が考慮されているとわかる。 最も此方の意思を押し付けるつもりはない、あくまで付けるか否かは彼女達の意思が決める事だ。 だが問題は書類の中に入っていた婚約届け……これが一番の原因だったりする。 大本営曰く、このシステムはケッコンカッコカリと呼んでいるそうだ。 その理由としては結婚式の様なやり取りだからと言う実に安直なものだった。 俺としてはどうでもいい事だった。 ケッコンカッコカリはあくまで契約の名前であり、本当に結婚する訳じゃない。 しかし大本営はケッコンカッコカリを行う事で艦娘に対する性的接触も認めると言う事が書類の中に記載されていた。 確かに艦娘の皆は男の俺から見て全員魅力的な女性ばかりだ。 ただ海軍大将の手紙には大本営はケッコンさせる事で軍に縛り付ける魂胆なのだと言う。 つまり軍は俺と言う存在を切り離したくないのだ。 だが俺は契約上の提督。 いつかこの鎮守府を離れる運命にある。 その時が訪れるまでこの鎮守府の提督として役目を果たすだけだ。 大本営のいいなりになるつもりはない。 だが、彼女達はどうやら違うようで……。 「さて、どうしたものかな……」 箱の中に収められた銀色に輝く指輪を手に取る。 俺にとっては何の変哲もないただの指輪だ。 これを付ける事で潜在能力を引き出すその技術について小一時間程質問したい気持ちだが……。 それよりもこの指輪をどう処分するか。 その時、ふとある項目で俺の目が留まった。 書類をもう一度読み返す。 そこにはある重要な事が記載されていた。 どうして読み抜けていたのだろう。 これを伝えれば暫くは彼女達も静まる筈だ。 「……なるほど、そういう事か」 俺は指輪を手に取り執務室を出る。 周囲に誰もいない事を確認するとある場所へと向かった。 [newpage] 給糧艦の間宮が経営する食堂。 普段ならば提督を始め多くの艦娘達が食事をする為に集い、戦果についてや世間話に花を咲かせ賑わっている。 だが今その食堂は嫉妬、殺気、怒気と言った負の感情で包み込まれていた。 一般人が足を踏み入れれば色々とブレンドされた禍々しい気に触れただけで絶命しかねない。 誰も一言も発する事なく、ただ黙々と食事を摂る。 そうして一人、また一人と食べ終えた食器を戻し元いた席に座る。 「それじゃあそろそろ決めまショー皆サン。 誰がテートクのwifeになるのかをネ……」 その一言に全員の顔付きが変わる。 彼女達はある一つの事について争っていた。 それはつい最近大本営より提督宛に送られてきた書類と指輪である。 潜在能力を引き出す事が可能とする装備品だが、彼女達にとってそんな事はどうでもよかった。 艦娘……かつて戦艦だった物が人間として生まれ変わった存在。 故に深海棲艦を倒す事が出来る。 しかし彼女達は艦であると同時に、一人の人間の少女である事にも変わらなかった。 自身は一人の人間である、そう意識させたのは提督の優しさがあったからと言っても過言ではない。 その優しさがあったからこそ彼女達は彼に兵器としてではなく一人の女子として意識し、そして恋心を抱くようになった。 だからこそ、指輪と書類の存在が気になって仕方が無かった。 大本営はこのシステムをケッコンカッコカリと称している。 カッコカリなのはあくまで強くなる為の手続きであるからで、本当の結婚ではない。 しかしこの鎮守府に所属している全ての艦娘達はカッコカリではなく本当の結婚として認識していた、ケッコンカッコガチである。 提督とケッコンする……それは即ち百を超える艦娘の中で特別である事を意味する。 そうなればタダでさえ恋敵が多い中最も有利な位置に立つ事が出来る。 戦争中である為に本物の結婚は出来ないかもしれない。 故に彼女達は我こそが相応しいと名乗り上げ、日々争ってきた。 直接アプローチを仕掛けにいった矢先で同じ事を考えていた輩と遭遇し互いを罵り合い、かと言ってどちらが強いか演習の度を超えた戦闘に発展したりもした。 その時は全員が折檻を受け、提督に嫌われたくない思いで力による解決はしないと艦娘達の中で誓約し、代わりに舌戦で戦う事が日常茶飯事に行われるようになった。 よって今から行われる舌戦も、実に二十五回目を迎えようとしている。 「テートクのwifeに選ばれるのは言うまでもなくこの金剛デース! 私のBurning Love! な想いを受ければテートクはknock down間違いなしネー!」 「貴女の様な騒がしい人じゃ、提督に相応しくないと思うのだけれど?」 「what's!?」 金剛の発言に加賀が反論した。 「提督は落ち着いた女性が好みなのよ。 貴女の様に英語を混ぜ合わせて騒ぐ女性は好みじゃないわ」 無論、これは加賀の勝手な思い込みである。 そんな加賀に五航戦の妹君である瑞鶴が反論した。 「能面浮かべて可愛げのない女性もどうかと思いますけどねぇ。 提督さんは私みたいな元気な子が好きなのよ。 それと翔鶴姉みたいにお淑やかで優しい女性も相応しいと思いますよ?」 「ちょ、ちょっと瑞鶴」 「……頭に来ました」 加賀と瑞鶴が激しくにらみ合う。 それを双方の片割れが宥めながらも、時折援護する様に罵り合う。 一航戦VS五航戦による舌戦が繰り広げられる中、他の場所でも舌戦が繰り広げられた。 「霞、司令官はアンタみたいな口の悪いツンしかない女は興味ないわ」 「はぁ? アンタこそ人の事言えるのかしら叢雲?」 「夕立提督さんの為ならなんだって出来るっぽい! えっちも頑張って練習するっぽい!」 「そ、それなら僕だって……!」 「提督はイクの事が大好きだから何をしても怒らないのね。 だから提督のお嫁さんになるのはイクって相場が決まってるのね!」 「提督は純和風な味付けの料理が好みです。 だから大和さんでは提督を満足させる事は出来ないかと思います」 「大和ホテルと言われた私のフルコースに掛かれば提督も嗜好を変えると思いますよ鳳翔さん?」 「わ、私は金剛お姉様一筋ですけど! で、でも提督になら毎日比叡特製カレーを作ってだげてもいいかなぁ……なんて!」 「それは危険だから止めた方がいいですよ比叡姉様」 「榛名は金剛姉様にも比叡姉様にも、霧島にも負けるつもりはありません!」 「わ、私の玉子焼きだって負けませんから!」 騒がしくなる食堂。 本日も晴天なり》 スピーカーを通して聞こえてくる提督の声に艦娘達は一瞬にして口を閉ざし傾聴する姿勢に入った。 《面倒だから館内放送を使って皆に説明する。 知ってのとおり大本営から送られてきたケッコンカッコカリシステムについてだが……》 ケッコンカッコカリと言う単語が出て、艦娘達は食いつく様にスピーカーに耳を向けた。 《実はさっき書類を読み返したんだけど、この指輪を付けるには練度が99に達している事が条件で練度が最高値に達していない場合付けてもなんの効果もないらしい。 まだ皆練度50台だったから誰ひとり付けられないから、暫くはこの話は無しと言う事で》 通信室より館内放送を行う提督。 しかしその言葉を聞いている艦娘は既に食堂にはいなかった。 向かう場所は他でもない、憎き深海棲艦がいる大海原だ。 練度が足りないのなら深海棲艦を狩って上げればいいだけの話だ。 自身の練度は上がり海域を解放する事で人類に貢献し提督にも喜ばれる、一石二鳥だから文句を言われる事は何一つない。 第四艦隊まで、と言う制約は今の艦娘達にとってはどうでもよかった。 人数が多ければ的に索敵されやすいと言うデメリットがあるが、そんな物愛の力でねじ伏せればいいだけの事。 恋に支配された艦娘達の思考は、常識を完全に破棄していた。 たった今より大艦隊時代へと突入したのである。 後日、資材が一気に枯渇した事に提督はショックのあまりに寝込み、暫くの間は食堂で舌戦を繰り広げる日々が続いた。 そして資材集めに伊号達がオリョール海へと駆り出されたのは言うまでもない。

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【艦これ】秋雲のケッコンムービー流したら1枚目で噴き出した

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提督「う~む……大本営からケッコン(仮)の書類一式と指輪がとどいたのだが……」 提督「どうしたものかなぁ~……うーん……」 提督「俺が提督に就任して約半年。 幾重もの戦いを乗り越えた結果、所属してる艦娘達と確かな絆を得るようにまでなった」 提督「だから俺自身、ケッコンするのもやぶさかではない。 vip2ch. ケッコン(仮)について悩んでおられたのですね」 提督「ああ。 情けない事にこの手の事になると俺は優柔不断でさぁ……どうしても一人決められなくて………」 榛名「なるほど…そうですね………」 榛名「………」 榛名「提督……榛名は提督のことを信じています」 提督「えっ、榛名……?」 榛名「提督はこれまで正しい判断をしてくれました」 榛名「鎮守府の運営。 艦隊編成の采配及び戦闘指揮。 それらを常に最良の手を選び。 榛名達を導いてくれましたよね」 榛名「その甲斐もあり、これまで誰も撃沈することなく深海棲艦相手に勝利し続けることができました」 榛名「だから榛名は提督のことを信じています。 ケッコンをした艦は燃費が減るという話は本当でしょうか?」 提督「ああ、そうらしいな。 具体的には燃料弾薬の消費が15%軽減されるとか」 榛名「…そうなのですか」 榛名「………」 榛名「ちなみに、榛名はよく食べますよ?」 提督「えっ?」 榛名「榛名はよく食べると言ったのです」 提督「え、えっと……まぁ、そうだな。 お前は戦艦だし……」 榛名「はい。 しかも改二になってから一層食べるようになりました」 提督「ま、まぁ……そうだな」 榛名「はい。 長門型に匹敵するほどの大食いになってしまいました」 提督「まぁ、その分パワーアップしたんだし……多少はね?」 榛名「でも大食いは大食いです。 榛名には色々と助けられてるし。 忘れるところだったぜ………おい、提督! 最近アタシを酷使し過ぎじゃねぇのか?」 提督「えっ、どういう意味だ?」 摩耶「アタシを戦闘に参加させ過ぎだって意味だよ!!」 提督「そ、そうかな……?」 摩耶「そうだよ!! 夏のSN作戦しかり、重要海域攻略の時はいつもアタシを編成に加えてるじゃねぇか!!」 提督「そういえばそうだったかも………」 摩耶「赤疲労でも無理矢理アイス食わせて出撃させやがって………アタシを消耗品か何かと勘違いしてねぇか!?」 提督「す、すまんかった! ウチの鎮守府で対空カットインできるのお前しかいないからつい………」 摩耶「まぁ、この摩耶様が強いからっていう理由はわかるけどよぉ。 それにしたって限度ってもんがあんだろうが!」 提督「す、すまない……」 摩耶「これじゃあ資材にも優しくないだろ。 鎮守府が火の車になっても知らねぇからな」 提督「いや、流石にそれは心配ないよ。 そこに書いてあるグラフに最も燃料弾薬を消費してる艦娘が書かれてるだろう?」 提督「あっ、うん………」 摩耶「そこで一か月に一番資材を食ってる艦娘の名前書いてあるだろ。 何て書いてある?」 提督「……摩耶になってるな」 摩耶「そういうことだ。 誰とケッコンするか決められないでいるのだろう?」 提督「くっ……! そ、その通りだ……」 磯風「そんなことではこの鎮守府を預かる身として失格だぞ司令」 磯風「司令官たる者、迅速なる判断と決断力が求められる」 磯風「私的な案件とはいえ、即決できない弱い精神でどうする? 軍人として恥ずべきことだ」 提督「ううっ……耳が痛いな……」 磯風「貴方の事を想ってる者のためにも、さっさと決断するべきだ」 提督「ぐぬぬ………正論だぁ~……で、でもよぉ~……!」 磯風「………」 磯風「ところで司令。 心配してくれてありがとうな」 浜風「もしかして、噂のケッコンカッコカリの件で悩んでいるのですか?」 提督「やはりお前も知っていたか………」 浜風「心中お察しします。 ドガガガガガガガ!!! ドカーン!! ここの鎮守府の提督さんは貴方でしょうか?」 提督「えっ、誰だあんたは!?」 ???「どうも初めまして。 私、通りすがりの緑の事務員という者です」 提督「み、緑の事務員………?」 緑の事務員「はい。 できることなら全員とケッコンしたいどさえ思ってる……そうでしょう?」 提督「そ、それは………」 緑の事務員「そんな提督さんの苦悩を解決する方法はただ一つ。 素直に指輪を購入すれば全て解決するじゃないですか」 提督「で、でも! 指輪は一つ700円もするんですよ! 少し高くはないですか?」 緑の事務員「本物の指輪に比べたらはるかに安いじゃないですか」 提督「そりゃそうですけど……」 提督「今持ってる指輪は一つ。 緑の事務員「………クククククク」ニヤリ 緑の事務員「このSSをお読みの提督のみなさん。 艦隊これくしょん~艦これはDMM内にて絶賛稼働中です」 緑の事務員「無料でもお楽しみできますが、課金する事により一層楽しめるようになりますよ」 緑の事務員「今なら、所定の金額を払うことにより、無料で艦娘とのケッコン及び母港&ドッグ拡張等も行えます」 緑の事務員「秋イベも間もなく始まります。 クソSS失礼しました。 秋イベに向けて、気合入れの意味も込めて書きました。 艦これ初めて数が月経ちましたが、未だに嫁艦が絞り切れません。 vip2ch.

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#2 艦娘達はケッコンカッコガチを望んでいる

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今日も変わらぬ快晴の空が窓の向こうに広がっている。 窓を開けば心地の良い微風が頬を優しく撫で上げ、今が深海棲艦と戦争している事を忘れさせてくれる程、横須賀鎮守府は穏やかな空気に包まれている事を実感させてくれる。 ただ、それはこの執務室の中だけに限るが……。 部屋の外から感じる禍々しい気。 もし俺が提督と言う立場でなく、執務室の扉に『立ち入り禁止 ~破った者は大嫌いになります~』の張り紙を貼っておかなければ、今頃はこの扉は跡形もなく木っ端微塵となっていたに違いない。 相手は艦娘だ。 人類では倒す事の出来なかった深海棲艦を倒せる力を保有している。 そんな彼女達からすれば、こんな扉など装甲を破るよりも遥かに容易い事だ。 鎮守府全体が不穏な空気に晒されている事は理解している。 その原因は机の上に置かれている一枚の紙と小さな箱の中に入った銀色の指輪だ。 知り合いの海軍大将からの手紙と共に大本営より送りつけられた書類とこの箱。 曰く指輪は艦娘達の秘めた潜在能力を引き出す事が出来る増幅装置であるらしい。 俺自身も特にそれについては何も文句を言うつもりはない。 強くなれる装置があるのなら使うのが当たり前、そして指輪と言う形も戦闘の際に邪魔にならない事が考慮されているとわかる。 最も此方の意思を押し付けるつもりはない、あくまで付けるか否かは彼女達の意思が決める事だ。 だが問題は書類の中に入っていた婚約届け……これが一番の原因だったりする。 大本営曰く、このシステムはケッコンカッコカリと呼んでいるそうだ。 その理由としては結婚式の様なやり取りだからと言う実に安直なものだった。 俺としてはどうでもいい事だった。 ケッコンカッコカリはあくまで契約の名前であり、本当に結婚する訳じゃない。 しかし大本営はケッコンカッコカリを行う事で艦娘に対する性的接触も認めると言う事が書類の中に記載されていた。 確かに艦娘の皆は男の俺から見て全員魅力的な女性ばかりだ。 ただ海軍大将の手紙には大本営はケッコンさせる事で軍に縛り付ける魂胆なのだと言う。 つまり軍は俺と言う存在を切り離したくないのだ。 だが俺は契約上の提督。 いつかこの鎮守府を離れる運命にある。 その時が訪れるまでこの鎮守府の提督として役目を果たすだけだ。 大本営のいいなりになるつもりはない。 だが、彼女達はどうやら違うようで……。 「さて、どうしたものかな……」 箱の中に収められた銀色に輝く指輪を手に取る。 俺にとっては何の変哲もないただの指輪だ。 これを付ける事で潜在能力を引き出すその技術について小一時間程質問したい気持ちだが……。 それよりもこの指輪をどう処分するか。 その時、ふとある項目で俺の目が留まった。 書類をもう一度読み返す。 そこにはある重要な事が記載されていた。 どうして読み抜けていたのだろう。 これを伝えれば暫くは彼女達も静まる筈だ。 「……なるほど、そういう事か」 俺は指輪を手に取り執務室を出る。 周囲に誰もいない事を確認するとある場所へと向かった。 [newpage] 給糧艦の間宮が経営する食堂。 普段ならば提督を始め多くの艦娘達が食事をする為に集い、戦果についてや世間話に花を咲かせ賑わっている。 だが今その食堂は嫉妬、殺気、怒気と言った負の感情で包み込まれていた。 一般人が足を踏み入れれば色々とブレンドされた禍々しい気に触れただけで絶命しかねない。 誰も一言も発する事なく、ただ黙々と食事を摂る。 そうして一人、また一人と食べ終えた食器を戻し元いた席に座る。 「それじゃあそろそろ決めまショー皆サン。 誰がテートクのwifeになるのかをネ……」 その一言に全員の顔付きが変わる。 彼女達はある一つの事について争っていた。 それはつい最近大本営より提督宛に送られてきた書類と指輪である。 潜在能力を引き出す事が可能とする装備品だが、彼女達にとってそんな事はどうでもよかった。 艦娘……かつて戦艦だった物が人間として生まれ変わった存在。 故に深海棲艦を倒す事が出来る。 しかし彼女達は艦であると同時に、一人の人間の少女である事にも変わらなかった。 自身は一人の人間である、そう意識させたのは提督の優しさがあったからと言っても過言ではない。 その優しさがあったからこそ彼女達は彼に兵器としてではなく一人の女子として意識し、そして恋心を抱くようになった。 だからこそ、指輪と書類の存在が気になって仕方が無かった。 大本営はこのシステムをケッコンカッコカリと称している。 カッコカリなのはあくまで強くなる為の手続きであるからで、本当の結婚ではない。 しかしこの鎮守府に所属している全ての艦娘達はカッコカリではなく本当の結婚として認識していた、ケッコンカッコガチである。 提督とケッコンする……それは即ち百を超える艦娘の中で特別である事を意味する。 そうなればタダでさえ恋敵が多い中最も有利な位置に立つ事が出来る。 戦争中である為に本物の結婚は出来ないかもしれない。 故に彼女達は我こそが相応しいと名乗り上げ、日々争ってきた。 直接アプローチを仕掛けにいった矢先で同じ事を考えていた輩と遭遇し互いを罵り合い、かと言ってどちらが強いか演習の度を超えた戦闘に発展したりもした。 その時は全員が折檻を受け、提督に嫌われたくない思いで力による解決はしないと艦娘達の中で誓約し、代わりに舌戦で戦う事が日常茶飯事に行われるようになった。 よって今から行われる舌戦も、実に二十五回目を迎えようとしている。 「テートクのwifeに選ばれるのは言うまでもなくこの金剛デース! 私のBurning Love! な想いを受ければテートクはknock down間違いなしネー!」 「貴女の様な騒がしい人じゃ、提督に相応しくないと思うのだけれど?」 「what's!?」 金剛の発言に加賀が反論した。 「提督は落ち着いた女性が好みなのよ。 貴女の様に英語を混ぜ合わせて騒ぐ女性は好みじゃないわ」 無論、これは加賀の勝手な思い込みである。 そんな加賀に五航戦の妹君である瑞鶴が反論した。 「能面浮かべて可愛げのない女性もどうかと思いますけどねぇ。 提督さんは私みたいな元気な子が好きなのよ。 それと翔鶴姉みたいにお淑やかで優しい女性も相応しいと思いますよ?」 「ちょ、ちょっと瑞鶴」 「……頭に来ました」 加賀と瑞鶴が激しくにらみ合う。 それを双方の片割れが宥めながらも、時折援護する様に罵り合う。 一航戦VS五航戦による舌戦が繰り広げられる中、他の場所でも舌戦が繰り広げられた。 「霞、司令官はアンタみたいな口の悪いツンしかない女は興味ないわ」 「はぁ? アンタこそ人の事言えるのかしら叢雲?」 「夕立提督さんの為ならなんだって出来るっぽい! えっちも頑張って練習するっぽい!」 「そ、それなら僕だって……!」 「提督はイクの事が大好きだから何をしても怒らないのね。 だから提督のお嫁さんになるのはイクって相場が決まってるのね!」 「提督は純和風な味付けの料理が好みです。 だから大和さんでは提督を満足させる事は出来ないかと思います」 「大和ホテルと言われた私のフルコースに掛かれば提督も嗜好を変えると思いますよ鳳翔さん?」 「わ、私は金剛お姉様一筋ですけど! で、でも提督になら毎日比叡特製カレーを作ってだげてもいいかなぁ……なんて!」 「それは危険だから止めた方がいいですよ比叡姉様」 「榛名は金剛姉様にも比叡姉様にも、霧島にも負けるつもりはありません!」 「わ、私の玉子焼きだって負けませんから!」 騒がしくなる食堂。 本日も晴天なり》 スピーカーを通して聞こえてくる提督の声に艦娘達は一瞬にして口を閉ざし傾聴する姿勢に入った。 《面倒だから館内放送を使って皆に説明する。 知ってのとおり大本営から送られてきたケッコンカッコカリシステムについてだが……》 ケッコンカッコカリと言う単語が出て、艦娘達は食いつく様にスピーカーに耳を向けた。 《実はさっき書類を読み返したんだけど、この指輪を付けるには練度が99に達している事が条件で練度が最高値に達していない場合付けてもなんの効果もないらしい。 まだ皆練度50台だったから誰ひとり付けられないから、暫くはこの話は無しと言う事で》 通信室より館内放送を行う提督。 しかしその言葉を聞いている艦娘は既に食堂にはいなかった。 向かう場所は他でもない、憎き深海棲艦がいる大海原だ。 練度が足りないのなら深海棲艦を狩って上げればいいだけの話だ。 自身の練度は上がり海域を解放する事で人類に貢献し提督にも喜ばれる、一石二鳥だから文句を言われる事は何一つない。 第四艦隊まで、と言う制約は今の艦娘達にとってはどうでもよかった。 人数が多ければ的に索敵されやすいと言うデメリットがあるが、そんな物愛の力でねじ伏せればいいだけの事。 恋に支配された艦娘達の思考は、常識を完全に破棄していた。 たった今より大艦隊時代へと突入したのである。 後日、資材が一気に枯渇した事に提督はショックのあまりに寝込み、暫くの間は食堂で舌戦を繰り広げる日々が続いた。 そして資材集めに伊号達がオリョール海へと駆り出されたのは言うまでもない。

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