ミカエリス 定数 と は。 ミカエリス・メンテン式

ミカエリス定数(Km)が大きいほど、酵素と基質の親和性が低いという...

ミカエリス 定数 と は

阻害剤の反応速度論 pdfファイルの 阻害剤 inhibitors は酵素と相互に作用し,その反応効率を低下させる合成物または天然に存在する化合物である 1。 多くの有毒な化合物は酵素阻害剤で,生体に大きな影響を与えるため,抗生物質,農薬,除草剤などに使われている。 一方,天然の生理的な阻害剤は生体調節や生体防御等のために働いている。 阻害剤は異なる機構で酵素と相互作用するが,酵素反応速度論はこれらの機構を区別することのできる重要な手段となる。 ここでは阻害機構の特徴や酵素反応速度式を導出し,さらに,阻害定数(解離定数) K iを決定する方法を述べる。 1 Copeland, R. , "Evaluation of Enzyme Inhibitors in Drug Discovery: A Guide for Medicinal Chemists and Pharmacologists. " Wiley-Interscience, 2005. 以下の解説では次の略号を使用する。 その速度定数は k 1である。 ついで,ESは速度定数 k 2で分解するか,速度定数 k catで反応産物Pになる。 全過程は 1. 1 のように表わされる。 1 以下, 定常状態近似を用いて反応速度(v)を求めると,次の ミカエリス・メンテン( Michaelis- Menten)の式が得られる。 2 ここで, K mはミカエリス定数と呼ばれる。 3 Michaelis-Mentenの式 1. 2 を図で表すと次のようになる。 一般にV maxは酵素濃度に比例するが,酵素濃度一定の条件で測定すれば,V maxは定数と見なせる。 ・最大反応速度V max: 1秒間に酵素が変化させうる基質のモル数で表され,酵素の 作用回転数 turn over という。 ・ミカエリス定数 K m: ミカエリス・メンテンの式 1. 一方,ESの解離定数を K S とすると, K Sは次のように表される。 3 と 2. したがって, K mは 酵素と基質の親和性を表わすパラメーターと考えてよい。 K m値が小さい程 ESの解離が起きにくく,すなわち,EとSが結合し易いことになる。 2 を変形すると,1/vと1/[S]のプロットは次のように直線となる。 これを Lineweaver-Burkの式という。 2 1/[S]に対して1/vをプロットすると,直線のX切片から K m,Y切片からV maxが求まる。 V maxは直線の傾き = K m/V max から求めてもよい。 図2 Lineweaver-Burkプロット Lineweaver-Burkプロット以外に,Michaelis-Mentenの式を変形したいくつかのプロット法が知られている。 ・Hanes-Woolfプロット 2. 3 阻害の形式 拮抗阻害 Competitive Inhibition ・阻害剤は基質と同じ部位に結合する阻害形式である。 ・基質と阻害剤が活性部位を競って結合するため, K m値は大きくなるが,V maxは変化しない。 非拮抗阻害 Non-competitive Inhibition ・阻害剤が活性部位とは異なる部位に結合して酵素の立体構造を変え,基質が生成物に変わるのを抑える阻害形式である。 また、酵素基質複合体(ES)にも結合して阻害するため,基質濃度を高くしても阻害は解消されない。 ・V maxが低下するが,阻害剤は直接活性部位に結合しないため基質の親和性に変化がなく, K m値は変化しない。 不拮抗阻害 Uncompetitive Inhibition ・阻害剤が遊離の酵素とは結合せず,酵素基質複合体(ES)とだけ結合するような阻害形式である。 ・ K m値とV maxは両方とも変化する。 図3 酵素の阻害の仕組み これらを式で示すと,図4のようになる。 反応速度はそれぞれ右の式ようになる 拮抗阻害 (3. これを混合型非拮抗阻害 Mixed non-competitive inhibition という。 3 不拮抗阻害 3. 阻害形式はこのプロットで区別できる。 拮抗阻害 不拮抗阻害 非拮抗阻害 混合型 拮抗および非拮抗阻害ではLineweaver-Burkプロットの直線の傾きが大きくなるが,不拮抗阻害の場合は変化しない(表1)。 阻害剤のあるなしでの直線の交点は次のような特徴がある(図5も参照)。 5 2 Dixon, M. , The Determination of Enzyme Inhibitor Constants. Biochem. , 55, 170-171 1953 ; Dixon, M. , The graphical determination of Km and Ki. Biochem. , 129, 197-202 1972 ; Cornish-Bowden, A Simple Graphical Method for Determining the Inhibition Constants of Mixed, Uncompetitive and Non-Competitive Inhibitors. Biochem. , 137, 143-144 1974. 【手 順】 2つ以上の基質濃度で,種々の濃度の阻害剤を酵素に作用させて反応速度を測定する。 直線の交点が K i値である。 Morrison 1969 3 によって提案された阻害の一般式 4. 15 は,酵素と強く結合する阻害剤の場合に適用できる。 1 Morrisonの式 3 Morrison, J. , Kinetics of the reversible inhibition of enzyme-catalysed reactions by tight-binding inhibitors. Biochim Biophys Acta, 185, 269-286 1969 【手 順】 一定濃度の酵素および基質に対して,種々の濃度の阻害剤を作用させ,酵素活性比を計算する。 非線形curve-fitting法によって,見かけの K i( K i app)が求まる(図7)。 を参照。 図7 Morrisonの式を用いるcurve-fitting 見かけの解離定数 K i appから真の解離定数 K i を求めるには,次の式を用いる。 拮抗阻害: 4. 2 非拮抗阻害: 4. 4 Hendersonプロット Henderson 1972 4 はMorrisonの式を直線の式に直し,グラフの直線の傾きから K iを導けることを示した。 Hendersonの一般式は次のようになる。 5 図8 Hendersonプロット 4 Henderson, P. , A linear equation that describes the steady-state kinetics of enzymes and subcellular particles interacting with tightly bound inhibitors. Biochem. , 127, 321-333 1972. 【手 順】 一定濃度の酵素および基質に対して,種々の濃度の阻害剤を作用させ,酵素活性比を計算する。 式 4. Hendersonの方法はコンピュータを使用しなくて済むが,式の両辺にv 0が入っているためv0の正しい測定値が必要になる。 v 0が不正確な場合はv i値が正しくても計算値が大きくずれ,直線にならなくなる可能性が示唆されている Henderson, 1973。 Hendersonプロットによる阻害様式の判定は,基質濃度を増加した時の直線の傾きの変化で調べる(図9)。 拮抗阻害では[S]の増加に伴い傾きも増加,不拮抗阻害では減少する。 06だったとする。 となる筈。 解離平衡定数は次のようになる。 おおよその値を見積もるのには使える。 図10 解離平衡定数を用いる方法 非線形解析法による見かけの K i( K i app)の計算 Morrisonの式を使ったcurve-fittingにより,見かけの解離定数 K i appを求めます。 使うツールとして Microsoft Excelが必要です。 また,Excelの solver機能を利用しますので,前もってアドインしておいてください。 【手 順】 1 酵素濃度一定の条件で,種々の濃度の阻害剤を加えることによる反応速度を測定する。 5 K i app値を設定しなおして,上記の差の二乗値の総和が最小になるようにする。 この段階で solver機能を利用する。 6 差の二乗値の総和が solver機能で設定した収束値以下になるまで,再計算する。 その時の K i app値が求める値である。 Excelを使った計算例。 以下,curve-fittingの例を示す。 このExcelファイルはするとダウンロードできます。 適当に名前をつけて保存後,お使いください。 使い方はこの図の下に示します。 2 K i app値を適当に設定する。 初期値は0. 右図の阻害曲線のデータ点のうち,大きく外れているものは,表の右端のデータ処理のセルに0を入力してください。 4 実行を押すと1回目の計算が行われます。 Sum of squaressのセルの数値が変化すると同時に K i app値が変化します。 右図の阻害曲線の曲線がデータ点に近づいていればOKです。 5 何度か実行を押して,Sum of squaressのセルの数値が下がらなくなれば終りです。 その時の K i app値が求める値です。 6 閉じるを押し,データを別名で保存して終了してください。 参考までに,下のほうに,Hendersonの式を用いて線形解析したデータも載せています。 上の数値と連動して変化します。

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Arginylendopeptidase|タカラバイオ株式会社

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コン そもそも酵素って?? 私たちの体の中ではいろいろな 反応が起こっています。 食べ物が分解されたり、エネルギーを作り出したり、……そういう反応を起こすために必要なのが「 酵素」です。 触媒とは 酵素のことを反応の 触媒ともいいます。 触媒とは、化学反応の 反応速度に影響する物質で、 それ自体は変化しないものを指します。 例えば、AをBに変える反応でCという酵素が働いたとします。 AがBになっても、CはCのままです。 これが、反応速度に影響するということです。 酵素が気持ちよく働くために また、酵素は たんぱく質でできています。 そのため、 熱やphによって変性し、 働くことができなくなる= 失活してしまいます。 逆に、ちょうど良い温度やphだと めちゃくちゃ働いてくれます。 ガンガン働けるよ! 問題文を正しくすると、 アポ酵素は単独で酵素活性を持たない、となります。 活性化エネルギーというのは基質が別のものに変化する際に必要な エネルギーのことです。 でんぷんという基質が分解されてグルコースになるとき、 100のエネルギーを必要とするとします。 そこへアミラーゼという酵素が入り、でんぷんの分解を助けてくれると、 エネルギーは10で足りてしまうのです。 よって 活性化エネルギーは酵素によって低下するといえます。 至適とは、とても適している、ということです。 私たち人間も、 適した環境では最大の力が発揮されると思いませんか? ものすごく暑い中でスポーツをするより、適温でする方が良いパフォーマンスができますよね。 酵素も、 至適pHのもとでは反応速度が最大となります。 至適phは酵素によって異なります。 phだけでなく、温度も酵素の働きに影響を及ぼします。 酵素の働きやすい温度を 至適温度といいます。 これもphと同じで酵素によって至適温度は異なります。 律速酵素というのは、その代謝経路における 反応の速度を決める酵素のことです。 a、b、cの酵素がいたとします。 それぞれ走る速さが違います。 最大速度で走ってみると・・・ aが一番早く、bが二番目、cが三番目でした。 aが律速酵素だった場合、aの速度にcはついていけるでしょうか? ついていけませんよね。 足が遅い人がめちゃくちゃ頑張っても、足の速い人と並んで走るのは難しいです。 逆に 一番遅いcの速度には、aもbも合わせることができるのではないでしょうか? ということで、代謝経路における反応の速度を決める酵素は、反応速度が一番遅い酵素です。 よって、 律速酵素は代謝経路で最も遅い反応に関与する、が正解です。

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「ミカエリス定数」に関するQ&A

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酵素の化学 生体内のほとんどの化学変化は 酵素 enzyme というタンパク質によって触媒される。 酵素と結びつき変化を受ける物質を 基質(substrate)という。 基質は酵素分子の表面の特定の部位( 活性部位, active site)に結合し,酵素タンパク質が作りだす特殊な環境により,いったんエネルギーの高い状態の(ただし,触媒がない場合よりは低いエネルギーで済む)酵素-基質複合体を形成する。この状態から,基質は 生成物(Product)へと化学形を変え,酵素から離れる。それと同時に,酵素は元の分子状態に戻り,再び次の基質と結合する。 近年,タンパク質以外の物質が生体内で触媒作用を発揮する例が見つかってきた。一部のRNA(リボ核酸)には,触媒作用がある。このような核酸を(ribozyme)という。 生体内では,たくさんの酵素が働いている。 それらの酵素は場合によっては単独でも働くが,多くの酵素はタンパク質以外の成分を必要とする()。 補助因子の中でもは特に重要なものである。 体内での一連の化学反応を 経路と呼ぶ。 例えば,グルコースからピルビン酸や乳酸に到る経路はと呼ばれる。 一連の化学反応は,ある特定の個所で制御することにより,全体の経路を制御できる。 このような特定の個所には,しばしば,などの特有の性質を持つ酵素が使われている。 当時,まだ酵素の化学的本体は不明であった。 1890年 E. フィッシャー 酵素の"鍵と鍵穴"モデルを提唱。 1897年 ブフナー 酵母を砂ですりつぶして透明なろ液を得た。 これが「アルコール発酵」作用を保持していることを証明。 また,熱処理で活性が消失する(失活)ことも観察。 実体は高分子か? 1902年 ブラウン(英)とアンリ(仏) スクラーゼの活性は酵素濃度に依存。 反応の途中で基質と酵素は「酵素-基質複合体」をつくるという概念。 1913年 ミカエリス、メンテン 『ミカエリス・メンテン式』を発表。 1926年 J. これはタンパク質からできていた。 ノースロップ ペプシン,ペプシノーゲン,キモトリプシン,キモトリプシノーゲン,トリプシン,トリプシノーゲンの結晶化。 1982年 チェックやアルトマン 触媒作用を有するRNAである『 リボザイム』を発見。 (触媒作用はタンパク質だけによらない。 生命の起源はRNAから始まったとされる『RNAワールド仮説』へ) 酵素は,その触媒反応の形式によって,次の6つに分類される。 酵素の分類と名称 酵素 反応の形式 例 1. 転移酵素 Transferase 原子団転移反応 アシル転移酵素 [アシル基転移],キナーゼ群 [リン酸基転移], アミノトランスフェラーゼ群 [アミノ基転移] 3. 脱離酵素 Lyase 付加および脱離反応 炭酸ヒドラターゼ,ピルビン酸デカルボキシラーゼ 5. 異性化酵素 Isomerase 異性化反応 ラセマーゼ群,ホスホグリセリン酸ホスホムターゼ, グルコース6-リン酸イソメラーゼ 6. 合成酵素 Ligase, Synthetase C-C, C-O, C-N結合 などの生成反応 (ATPを要求) DNAリガーゼ,アミノアシルtRNA合成酵素, アシルCoAシンテターゼ,カルボキシラーゼ群 補助因子: 活性を発揮するためにアミノ酸以外の成分( 補助因子)を必要とする酵素もある。 タンパク質部分を アポ酵素(apoenzyme),補助因子を結合した状態の酵素を ホロ酵素(holoenzyme)と呼ぶ。 共有結合した色素( 補欠分子族という): FAD, ヘム(類,カタラーゼ,ヘモグロビンなど),ビオチン,リポ酸など ビオチニル基(Lys残基に結合) リポイル基(Lys残基に結合)• coenzyme : 非共有結合でアポ酵素に結合した有機化合物。 左はアポ酵素(不活性)を表す。 酵素と活性化エネルギー 酵素は反応の活性化エネルギーを下げ,反応の速さを数百万〜数億倍に上昇させる。 303 RT k, 反応速度定数; A,頻度因子; R,気体定数(=8. 303 X 8. 酵素の触媒作用の特徴 酵素の本体はタンパク質であるから,その触媒作用にはタンパク質としての性質が反映される。 至適温度 optimum temperature 酵素が作用を発揮する最適の温度のこと。 一般に,反応速度は温度とともに上昇するが,酵素はタンパク質であるから高温では変性するため,活性が逆に低下する。 酵素の活性には種々のアミノ酸の解離性原子団が関与する。 酵素活性がpHに依存するのは,それらの原子団の解離がpHによって変化するためである。 [酵素反応速度とpH] 基質特異性 substrate specificity 酵素は特定の反応だけを触媒する。また,特定の化合物または一群の化合物にしか作用しない。 この性質を酵素の 基質特異性という。 また,酵素は基質中の原子団の立体配座(DとL,cisとtrnasなど)を区別する。 つまり,酵素は立体構造を認識できる。 このような基質特異性を 立体特異性という。 以下,例を示す。 ペプシン,トリプシン: タンパク質やペプチドの特定のアミノ酸残基のペプチド結合を切断(加水分解)する。しかし,糖や脂質の加水分解は触媒しない。• a-アミラーゼ: デンプンを加水分解し,麦芽糖(マルトース)に変える。しかし,タンパク質や脂質を加水分解しないし,また,セルロースや寒天など,他の多糖類には作用しない。• リパーゼ: 脂質を加水分解する。タンパク質や糖には作用しない。• 酵素の表面には基質が結合する溝状のくぼみがある。 基質はこのくぼみに結合し,変化を受ける。このような酵素の立体構造の領域を 活性部位または 活性中心という。 酵素には立体特異性が見られることから,活性部位において,基質は少なくとも3点で酵素と結合すると考えられる。 (実際にはもっと多くの相互作用が存在する事が知られている。 ) 一般に,活性部位の立体構造は、鍵と鍵穴の関係のように特定の基質とぴったり合うようになっている。 ある酵素では,特定の基質と結合する時に活性部位の立体構造が少し変化する。 このように,基質によって立体構造が変化する現象を 誘導適合 induced fit)という。 基質は酵素分子の表面の特定の部位( 活性部位, active site)に結合し,酵素タンパク質が作りだす特殊な環境により,いったんエネルギーの高い状態の(ただし,触媒がない場合よりは低いエネルギーで済む) 酵素-基質複合体を形成する。この状態から,基質は生成物(Product)へと化学形を変え,酵素から離れる。それと同時に,酵素は元の分子状態に戻り,再び次の基質と結合する。 この時の v を V max とすると、 V max= k cat[E] 0 (12) となる。 酵素濃度が一定の条件で測定すれば、V maxは定数となる。 従って、(9)式は次のように書く事ができる。 v = V max[S] 0 [S] 0+ K m ( ミカエリス・メンテンの式) (13) 基質濃度と反応速度の関係を図で示すと,次のようになる。 同じ基質に対して, K m が異なる酵素の場合, K m が小さいほど作用が強いといえる。同様に,同じ酵素に対して, K m が異なる基質の場合, K m が小さい基質ほど作用を受けやすいといえる。 酵素-基質複合体(ES)の解離定数 K S は次のように与えられる。 従って、 K m 値が小さい程 ESの 解離が起きにくい、つまり、酵素と基質が結合し易いことになる。 これを準平衡の取り扱いと呼ぶ。 Lineweaver-Burkプロットは、 低い基質濃度のデータの誤差の影響を受けやすいという欠点があり、3種のプロットの中では最も悪いプロットと言えます。 従って、このプロット法でほぼ直線になったからといってデータの質が良いかどうかは分かりません。 このプロットは反応速度の誤差に敏感なのが特徴です(つまり、もっともシビアな方法と言える)。 データの精度が良い場合は,反応がMichaelis-Mentenの式に合致するかどうかを見つけ出すのに有用です。 反応速度の誤差がKmや Vmaxの決定に及ぼす影響を総合的に考慮すると、このプロット法が最も妥当な方法といわれています。 酵素反応の阻害 酵素は種々の化学物質によって阻害(inhibit)される。 阻害にはいくつかの様式がある。 基質とよく似た化学構造を持つ阻害剤「基質もどき」。 拮抗阻害の速度論 ミカエリスメンテンの式は次のようになる。 補酵素に結合して酵素活性を阻害するものもある。 オキシチアミンピロリン酸はチアミンピロリン酸(TPP)に拮抗する。 《拮抗阻害の特徴》 基質の濃度を上げると阻害剤と置き換わるので,阻害の程度は小さくなる。 また,V maxは変わらず, K mだけが増加する。 拮抗阻害剤の一例 ・コハク酸脱水素酵素(コハク酸デヒドロゲナーゼ,クエン酸回路の酵素) コハク酸と構造が似ているマロン酸により阻害される。 酵素に結合したままになり,阻害する。 従って,阻害剤はEともESとも結合する。 非拮抗阻害の速度論 ミカエリスメンテンの式は次のようになる。 非拮抗阻害剤 ・酵素のもつ金属イオンと錯塩を形成するもの: CN -, H 2S, CO カタラーゼ,ペーオキシダーゼ,シトクロム類…Fe ポリフェノールオキシダーゼ…Cu カルボニックアンヒドラーゼ…Zn ・重金属イオン,Hg, Agなど ウレアーゼ,パパイン ・酸化剤 SH酵素のSH基を-S-S-に酸化して不活性化 ・界面活性剤 酵素の疎水性表面や活性部位近辺に吸着して不活性化 《非拮抗阻害の特徴》 阻害剤の濃度を上げても,阻害の程度は変わらない。 また, K mは変わらず, V maxだけが減少する。 不拮抗阻害の速度論 ミカエリスメンテンの式は次のようになる。 この場合, K mとV maxの両方が変化する。 直線は平行となる。 以上の場合,Ki値を求めるには,数種の阻害剤と基質濃度で反応速度を求め,Dixonプロットを行う必要がある。 強く結合する阻害剤 tight binding inhibitors 酵素への結合が強い阻害剤の場合,[I]が[E]と同程度で実験することになる。 このような場合は,Dixonプロットではなく,別の取り扱いが必要となる。 詳細はpdfファイル「」を参照のこと。 不活性な前駆タンパク質としてつくられ,ペプチド鎖の一部が切られて活性型の酵素に変化するものもある。 OH基はリン酸化されることがある。 リン酸化されると活性型の酵素になるものや,逆に,リン酸基が外れると活性型になる酵素がある。 酵素タンパク質の立体構造は硬い固定したものではなく,状況に応じて構造は変化する。 アロステリック酵素と呼ばれる酵素では,活性部位の近辺に 効果物質( アロステリック因子)が結合する部位が存在。 これにより,アロステリック酵素は立体構造が変化し,活性が大きく変化する。 アロステリック酵素やタンパク質は,多量体タンパク質である。 通常の酵素では基質濃度と反応速度の関係は ミカエリス・メンテンの式に従うので,上の a のような曲線で表される。 これに対して,アロステリック酵素の場合,基質濃度と反応速度の関係は上の b や c のように,S字型曲線となる。 (赤,負のエフェクター存在下,緑,正のエフェクター存在下) a フィードフォワード調節 多段階の代謝過程において,前の反応の基質や生成物が,後の反応の酵素活性を上昇させる(活性化する)調節機構。 b フィードバック調節 多段階の代謝過程において,後の反応の生成物が,前の反応の酵素活性を低下させる(阻害する)調節機構。 負のフィードバック調節という。 逆に,活性を上昇させる場合には,正のフィードバック調節という。 フィードバック阻害の例 ホスホフルクトキナーゼは解糖経路の律速酵素である。 解糖により生じるATPがこの酵素の阻害剤として働く。

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