帯状 疱疹 ワクチン。 帯状疱疹の予防接種の成分・費用・効果・副作用など

帯状疱疹のワクチン(予防接種)を薬剤師が簡単にわかりやすく説明

帯状 疱疹 ワクチン

はじめに 水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)は, 初感染で水痘を引き起こした後, 知覚神経節に潜伏感染しているが, 免疫低下などが誘因となり再活性化を起こして帯状疱疹を生じる。 わが国における帯状疱疹の発生頻度は年間1,000人当たり5人程度とされている。 加齢に伴い増加する傾向があり, 50歳を境に発症率が急激に上昇し, 70歳以上では1,000人当たり10人以上となる。 高齢化が進行しているわが国においては, 今後ますます患者の増加が予想される。 1980年代に, アシクロビルをはじめとする抗ヘルペスウイルス薬が登場して以来, 帯状疱疹の治療成績は飛躍的に向上した。 しかし現在でも, 様々な合併症や帯状疱疹後神経痛(PHN)により長期にわたり苦しむ患者が少なくなく, ワクチンによる予防が重要である。 水痘ワクチンによる帯状疱疹の予防 1) 水痘ワクチンによる細胞性免疫の増強作用 Takahashiらは, 50~79歳の高齢者127人を対象として, 水痘ワクチンの接種を行い, 接種の前後でVZVに対する免疫力を測定した 1)。 その結果, VZVに対する細胞性免疫(水痘皮内反応), 液性免疫(VZV特異的抗体価)はともに加齢に伴って低下する傾向がみられ, さらに水痘ワクチン接種が, VZVに対する免疫力の回復, 特に細胞性免疫の増強に有効であることが明らかになった。 この結果をもとに, 2004年に水痘ワクチンの添付文書が改訂され, 「水痘ウイルスに対して免疫能が低下した高齢者」 が, 接種対象者として新たに追加され, さらに2016年3月には, 効能・効果に「50歳以上の者に対する帯状疱疹の予防」が追記された。 38,546人の約半分にワクチンを接種, 半分にプラセボを接種し, 平均3. 12年の観察期間後に統計処理を行った結果, ワクチン接種群ではプラセボ群と比べて, 帯状疱疹の発生率が51. 3%減少, PHNの発生率も66. 5%減少し, 帯状疱疹の重症度も61. 1%低下したと報告している。 この結果を受けて米国食品医薬品局(FDA)は, 2006年にこのメルク社製帯状疱疹予防ワクチンを60歳以上の高齢者を対象に使用することを承認し, さらに2011年からは50代への接種も許可した。 わが国においても, 2016年3月に, 本邦で使用されている水痘ワクチンを高齢者の帯状疱疹予防に使用することが承認された。 帯状疱疹ワクチンの課題 2016年から本邦においても, 高齢者に対して帯状疱疹予防ワクチンが使用可能となったが, なおいくつかの解決すべき課題がある。 すなわち, 白血病, 抗がん剤使用中, 免疫抑制療法中, AIDSなどでは使用できない。 しかし, 免疫不全患者は帯状疱疹のハイリスク群であることを考えると, 予防接種の必要性が高い。 2) ワクチン効果の持続期間:現在のところワクチンによる帯状疱疹の予防効果がいつまで持続するのかについて, 明確な答えは出ていない。 長期的な予防効果に関する正確な評価には, さらなる追跡調査が必要である。 3) ワクチンの普及:2014年10月に小児水痘ワクチンが定期接種化されて以降, 水痘の流行が激減し, 高齢者がブースター効果を得る機会が減少している。 そのため高齢化による影響に加え, 水痘流行の減少が帯状疱疹のさらなる増加に繋がることが予想される。 従って, 帯状疱疹予防ワクチンが使用できるようになったこの機会に, 帯状疱疹が予防可能な疾患であることを広く知ってもらい, ワクチンの普及を促すことが必要と考えられる。 おわりに 抗ヘルペスウイルス薬が登場して以来, 帯状疱疹の治療成績は飛躍的に向上したが, 今なお, 合併症や頑固な神経痛に苦しむ患者は少なくない。 高齢化や水痘流行の減少の影響により今後さらなる患者の増加が予想されるが, 高額な抗ウイルス薬の使用や長期にわたる神経痛の治療は, 医療費の増大にもつながる。 わが国においても, ようやく帯状疱疹予防に水痘ワクチンが使用できるようになった。 今後は, このワクチンが広く使用され, 帯状疱疹や神経痛に悩まされる患者の減少に役立つことはもとより, 高齢者医療費の削減にも役立つものと期待している。 参考文献.

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帯状疱疹の予防(予防接種・ワクチン)

帯状 疱疹 ワクチン

はじめに 水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)は, 初感染で水痘を引き起こした後, 知覚神経節に潜伏感染しているが, 免疫低下などが誘因となり再活性化を起こして帯状疱疹を生じる。 わが国における帯状疱疹の発生頻度は年間1,000人当たり5人程度とされている。 加齢に伴い増加する傾向があり, 50歳を境に発症率が急激に上昇し, 70歳以上では1,000人当たり10人以上となる。 高齢化が進行しているわが国においては, 今後ますます患者の増加が予想される。 1980年代に, アシクロビルをはじめとする抗ヘルペスウイルス薬が登場して以来, 帯状疱疹の治療成績は飛躍的に向上した。 しかし現在でも, 様々な合併症や帯状疱疹後神経痛(PHN)により長期にわたり苦しむ患者が少なくなく, ワクチンによる予防が重要である。 水痘ワクチンによる帯状疱疹の予防 1) 水痘ワクチンによる細胞性免疫の増強作用 Takahashiらは, 50~79歳の高齢者127人を対象として, 水痘ワクチンの接種を行い, 接種の前後でVZVに対する免疫力を測定した 1)。 その結果, VZVに対する細胞性免疫(水痘皮内反応), 液性免疫(VZV特異的抗体価)はともに加齢に伴って低下する傾向がみられ, さらに水痘ワクチン接種が, VZVに対する免疫力の回復, 特に細胞性免疫の増強に有効であることが明らかになった。 この結果をもとに, 2004年に水痘ワクチンの添付文書が改訂され, 「水痘ウイルスに対して免疫能が低下した高齢者」 が, 接種対象者として新たに追加され, さらに2016年3月には, 効能・効果に「50歳以上の者に対する帯状疱疹の予防」が追記された。 38,546人の約半分にワクチンを接種, 半分にプラセボを接種し, 平均3. 12年の観察期間後に統計処理を行った結果, ワクチン接種群ではプラセボ群と比べて, 帯状疱疹の発生率が51. 3%減少, PHNの発生率も66. 5%減少し, 帯状疱疹の重症度も61. 1%低下したと報告している。 この結果を受けて米国食品医薬品局(FDA)は, 2006年にこのメルク社製帯状疱疹予防ワクチンを60歳以上の高齢者を対象に使用することを承認し, さらに2011年からは50代への接種も許可した。 わが国においても, 2016年3月に, 本邦で使用されている水痘ワクチンを高齢者の帯状疱疹予防に使用することが承認された。 帯状疱疹ワクチンの課題 2016年から本邦においても, 高齢者に対して帯状疱疹予防ワクチンが使用可能となったが, なおいくつかの解決すべき課題がある。 すなわち, 白血病, 抗がん剤使用中, 免疫抑制療法中, AIDSなどでは使用できない。 しかし, 免疫不全患者は帯状疱疹のハイリスク群であることを考えると, 予防接種の必要性が高い。 2) ワクチン効果の持続期間:現在のところワクチンによる帯状疱疹の予防効果がいつまで持続するのかについて, 明確な答えは出ていない。 長期的な予防効果に関する正確な評価には, さらなる追跡調査が必要である。 3) ワクチンの普及:2014年10月に小児水痘ワクチンが定期接種化されて以降, 水痘の流行が激減し, 高齢者がブースター効果を得る機会が減少している。 そのため高齢化による影響に加え, 水痘流行の減少が帯状疱疹のさらなる増加に繋がることが予想される。 従って, 帯状疱疹予防ワクチンが使用できるようになったこの機会に, 帯状疱疹が予防可能な疾患であることを広く知ってもらい, ワクチンの普及を促すことが必要と考えられる。 おわりに 抗ヘルペスウイルス薬が登場して以来, 帯状疱疹の治療成績は飛躍的に向上したが, 今なお, 合併症や頑固な神経痛に苦しむ患者は少なくない。 高齢化や水痘流行の減少の影響により今後さらなる患者の増加が予想されるが, 高額な抗ウイルス薬の使用や長期にわたる神経痛の治療は, 医療費の増大にもつながる。 わが国においても, ようやく帯状疱疹予防に水痘ワクチンが使用できるようになった。 今後は, このワクチンが広く使用され, 帯状疱疹や神経痛に悩まされる患者の減少に役立つことはもとより, 高齢者医療費の削減にも役立つものと期待している。 参考文献.

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帯状 疱疹 ワクチン

帯状疱疹を予防する 帯状疱疹を予防する 帯状疱疹には、 予防するワクチンがあります 帯状疱疹は、ワクチンで予防できます。 ワクチンには、感染症の原因となる細菌やウイルスの病原性を弱くしたものや、成分の一部を取り出したもの、また病原性を全くなくしたものがあります。 ワクチンを体内に接種すると、そのワクチンの成分(細菌やウイルス)に対しての免疫力を高め、病気の発症や重症化を抑えることができます。 帯状疱疹の予防には、50歳以上の方を対象としたワクチンがあります。 水ぼうそうにかかったことがある人は、すでに水痘(すいとう)・帯状疱疹ウイルスに対する免疫を獲得していますが、年齢とともに弱まってしまうため、改めてワクチン接種を行い、免疫を強化することで帯状疱疹を予防します。 予防接種は帯状疱疹を完全に防ぐものではありませんが、たとえ発症しても症状が軽くすむという報告があります 1)。 なお、予防や治療に関する詳しいことについては医師とご相談ください。 1)Oxman MN, et al. N Engl J Med. 2005; 352 22 : 2271—2284. 帯状疱疹について相談できる病院を探す 帯状疱疹の予防接種の 対象年齢は50歳以上です 帯状疱疹の発症率は50歳以上で増加し、50代、60代、70代と加齢に伴ってさらに増加します 2。 また、帯状疱疹後神経痛(PHN)への移行リスクも加齢とともに高くなるといわれています 3。 なお、帯状疱疹のワクチン接種の対象は、50歳以上の方です。 ワクチン接種により、水痘(すいとう)・帯状疱疹ウイルスに対する免疫力を高めて、帯状疱疹の発症を予防することができます。 また帯状疱疹を発症したとしても軽症ですみ、帯状疱疹後神経痛(PHN などの後遺症の予防にもつながるとのデータもあります 4。 かかりつけの医師とご相談の上、接種をご検討ください。 2)外山望. 日臨皮会誌. 2012; 29(6): 799-804. 3)Takao Y, et al. J Epidemiol. 2015; 25(10): 617-25. 4)Oxman MN, et al. N Engl J Med. 2005; 352 22 : 2271—2284. 帯状疱疹について相談できる病院を探す 帯状疱疹では、発症の予防、早めの治療が重要です 帯状疱疹は、脊髄から出る神経節という部位に潜んでいる水痘(すいとう)・帯状疱疹ウイルスが活動を再開することで発症します。 ピリピリと刺すような痛みから始まり、続いて小さな水ぶくれ(水疱:すいほう)と発疹(ほっしん)が帯状に現れることから、帯状疱疹という病名が付けられています。 はじめて水痘・帯状疱疹ウイルスに感染するのは、子どものころがほとんどですが、その時には水ぼうそうとして発症します。 水ぼうそうが治った後も、ウイルスは脊髄から伸びる神経節にじっと潜んでいます。 健康で免疫が維持されている間は、水痘・帯状疱疹ウイルスの活動は抑えられ、病状を呈することはありませんが、加齢や疲労、ストレスなどにより免疫力が低下すると、ウイルスが再び活動を開始し、増殖したウイルスは、神経の流れに沿って神経節から移動、皮膚に達して、帯状に痛みや発疹が現れるようになります。 日本人では80歳までに約3人に1人が帯状疱疹を発症するといわれています。 帯状疱疹の治療薬としてウイルスの増殖を抑制する抗ウイルス薬が登場し、以前に比べて帯状疱疹の治療は容易になりましたが、それでも治療が長引くケースや治った後にも長期間、痛みが残るケースが少なくありません。 帯状疱疹が治った後に後遺症として痛みなどの症状が残ると、日常生活に支障をきたすことがあるため、できれば帯状疱疹の発症を予防し、発症してしまった場合には早めに治療を開始することが重要です。 これまでに水ぼうそうにかかったことがある方は帯状疱疹を発症する可能性があります。 生活習慣の見直しやワクチン接種などで、帯状疱疹を予防しましょう。 帯状疱疹かなと感じたら、症状が軽くても、早めに医療機関を受診しましょう。 高齢者では神経痛が残りやすく、発症の予防が重要です。 帯状疱疹の皮膚の症状が治まった後も長期間にわたって続く痛みを帯状疱疹後神経痛(PHN)といいます 5)。 加齢とともに帯状疱疹後神経痛(PHN)への移行リスクは高くなり、50歳以上の患者さんの約2割が移行するという報告もあります 6)。 帯状疱疹後神経痛(PHN)によって生じる痛みは、水痘(すいとう)・帯状疱疹ウイルスが知覚神経を傷つけることによって起こります。 ウイルスによって傷つけられた神経の回復には時間がかかる場合があり、特に高齢者では症状も治療も長引く可能性があるため、帯状疱疹の発症自体を予防することの重要性は高いと考えられています。 5)比嘉和夫. 2008; 90(7): 2147-2149. 6)Takao Y, et al. J Epidemiol. 2015; 25(10): 617-625. 帯状疱疹の初期症状に気づかず、治療が遅れるケースもあります 帯状疱疹の治療が長引いたり、皮膚症状が治った後も痛みが長期間残ってしまう要因の1つとして治療の遅れが考えられます。 帯状疱疹では、はじめに皮膚にピリピリ、ズキズキ、チクチクといった神経痛のような痛みや焼けるような痛み(灼熱感:しゃくねつかん)を感じ、その後、水ぶくれ(水疱:すいほう)を伴う発疹(ほっしん)が帯状に現れるのが特徴です。 しかし、初期症状である痛みの感じ方は患者さんによってさまざまであり、中にはあまり痛みがなく、かゆい、しびれる、違和感があると感じるだけのケースもあります。 通常、帯状疱疹の痛みは、水ぶくれや赤い発疹が治ると軽くなりますが、帯状疱疹だと気づかずに治療が遅れた場合には、皮膚症状が治まった後も長期間にわたって痛みが残る帯状疱疹後神経痛(PHN)になる可能性は高まります。 帯状疱疹を疑う症状に気がついたらできる限り早く医療機関を受診し、治療を開始することが重要です。 帯状疱疹の初期症状の感じ方はさまざまです。 初期症状に気づかず、治療が遅れるケースもあります。 症状が軽くても受診しましょう。 帯状疱疹の予防のために、 免疫を低下させないよう体調管理を心がけましょう 帯状疱疹は免疫力の低下によって発症するため、帯状疱疹の予防には、日頃の体調管理が重要です。 食事や睡眠をしっかりととり、適度な運動や、リラックスした時間をもつことでストレスを減らし、免疫力を低下させないように心がけましょう。 また、帯状疱疹を発症した場合も、抗ウイルス薬で治療を行うとともに、安静と栄養バランスのとれた食事を心がけることが重要です。 また、治療中は患部を冷やさないように注意し、痛みが強い場合はお風呂でしっかりと温まることで、痛みは緩和されます。

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